SaaSにおけるチャーンレートとは?重要性や改善ポイントを解説
「Software as a Service」の略称であるSaaSは、クラウド上でサービスを提供するビジネスです。ソフトウェアを契約し月額で利用するといったサブスクリプションモデルが一般的で、継続して利用してもらうことがビジネスの成長につながります。
本記事では、SaaSにおいて重要になるチャーンレートについて詳しく解説します。チャーンレートとは何かやSaaSにおける重要性、改善ポイントなどをおさえていきましょう。
Contents
SaaSのチャーンレートとは
SaaSにおいてサービスを継続的に利用してもらうことが欠かせない要素です。サービスがどのように利用されているかを示すのがチャーンレートであり、SaaSでは見逃せない指標と言えます。チャーンレートとは何かをまず理解していきましょう。
チャーンレート=解約率
チャーンレートを日本語に直すと、解約率と表現できます。サブスクリプションモデルの商品・サービスは一度契約すれば、永久に利用してもらえるのではなく、システムの入れ替えや上位モデルへのグレードアップなどの要因で、解約されることもあります。
チャーンレートは、前月の顧客数・企業数・収益などに対する今月失った顧客数・企業数・収益で算出されます。月にどの程度の顧客が解約しているのかがわかると同時に、継続している顧客も把握できます。
一般的なチャーンレートの目標値は、1ヵ月3%と言われています。ターゲットとなる企業の規模やサービス内容によって異なりますが、3%程度あれば収益を向上・維持できるでしょう。チャーンレートが高くなるほど、解約する顧客が多くなり、当然収益も減っていくので、SaaSにとって注視しなければならない指標です。
カスタマーチャーンレート
チャーンレートは、何を基準にするかで、カスタマーチャーンレートとレベニューチャーンレートの2種類に分かれます。顧客をベースにするカスタマーチャーンレートと、収益をベースにするレベニューチャーンレートの2つです。
カスタマーチャーンレートはさらに2つに分かれ、顧客数で計算するカスタマーチャーンレート、企業数で計算するアカウントチャーンレートに分かれます。サービスのターゲットや規模によって収益が異なるため、どちらを重視するかで使い分けましょう。それぞれの計算式は以下の通りです。
カスタマーチャーンレート | 今月解約した顧客数÷先月の顧客数 |
アカウントチャーンレート | 今月解約した企業数÷先月の企業数 |
レベニューチャーンレート
レベニューチャーンレートは、収益をベースにして算出します。グロスレベニューチャーンレートとネットレベニューチャーンレートに細分化されます。グロスレベニューチャーンレートは純粋な月間の収益の増減を元に算出する方法です。
一方で、ネットレベニューチャーンレートは、アップセルやクロスセルで増えた収益も加味しているので、より詳細なチャーンレートが算出されます。それぞれの計算式を確認しておきましょう。
グロスレベニューチャーンレート | 今月失った収益÷先月の収益 |
ネットレベニューチャーンレート | (今月失った収益-今月増えた収益)÷月初の収益 |
SaaSにおけるチャーンレートの重要性
SaaSは、購入・利用した分の収益が生まれるサービスとは違い、継続して利用してもらえなければ収益は期待できません。チャーンレートは収益が生み出すために常にフォーカスをあてたい指標です。SaaSにおけるチャーンレートの重要性を説明していきます。
ビジネスの成長に直結する
チャーンレートは、ビジネスの成長を直接的に示すデータです。チャーンレートがパーセンテージと表されるので、プラスが続けばその分グラフは下降線をたどり、マイナスを達成すれば契約数が増え続ける上昇曲線を描きます。顧客数・企業数・収益の傾向が一目でわかります。
成長を示す場合として、チャーンレートがマイナスになる状態をネガティブチャーンと言います。ネットレベニューチャーンレートにおいて、アップセル・クロスセルなどの収益が失った収益を上回った時にチャーンレートがマイナスになります。解約が起きていないと捉えられる状態で、ビジネスが加速度的に成長していきます。
収益を維持するために欠かせない
継続利用が収益を生むために前提となるサブスクリプションモデルでは、チャーンレートは収益が維持できているかを判断する基準となります。
一般的な基準は3%ですが、一社あたりの収益の大きい大企業をターゲットにしている場合は、0.5~1%など低い水準に設定する必要があるでしょう。先月から顧客数・企業数・収益を維持できているかチャーンレートで見極め、戦略を立てることが大切です。
SaaSのチャーンレート改善において注目したいポイント
SaaSにおいて、チャーンレートの上昇は解決しなければならない問題です。チャーンレート上昇の原因を知るために注目したいポイントをご紹介します。
商品・サービスの価格
解約する要因として、まず注目したいのが商品・サービスの価格です。サービス内容に対して、価格が高いと感じれば、顧客は価格が低い商品・サービスに乗り換えるでしょう。無料プランを実施していた場合、有料プランに移行せずに終了してしまうと、チャーンレートが上がってしまいます。
商品・サービスの内容
価格だけでなく、商品・サービスの内容も見逃さないポイントです。価格に満足していても、解決したい課題に対する機能がない、必要のないコンテンツが多いなど不満を抱えると解約されるおそれがあります。
競合商品・サービスの登場
価格と内容が伴っていても解約されるなら、自社商品・サービスよりも優れた競合商品・サービスが登場したのかもしれません。顧客が良いものに流れるのは当然で、乗り換えによってチャーンレートが悪化するでしょう。
SaaSのチャーンレートを下げる方法
SaaSのチャーンレートは低ければ低いほど良く、ネガティブチャーンになるのが理想です。チャーンレートを下げ、改善するための方法を4つご紹介します。
商品・サービスの価格を見直す
解約の原因が価格であったら、商品・サービスの価格を見直しましょう。月額料金を下げるだけでなく、年間プランや無料体験プランなどの導入がおすすめです。年間プランを月間プランよりもお得にすれば、継続利用を期待できます。
無料体験プランは新規顧客獲得に適したプランです。無料から有料になるタイミングで、お得な月間プランや年間プランがあれば、収益につなげられるでしょう。
商品・サービスの内容を見直す
商品・サービスの内容の見直しも欠かせません。顧客が求める機能を追加したり、他社にはない独自サービスを提供したりすれば、自社商品・サービスを継続するメリットが生まれます。競合商品・サービスが現れても独自性があるので、チャーンレートを維持できるでしょう。
顧客ニーズを調査する
商品・サービスの価格や内容の改善点を知るには、顧客を知ることが必要です。カスタマーサポートやメールなどで顧客のニーズを汲み取り、課題を明確にしましょう。顧客を知れば、チャーンレートが下がる前に解約の可能性が高い顧客を見極めることも可能です。チャーンレート改善だけでなく、維持にも顧客ニーズの調査が欠かせません。
まとめ
チャーンレートとは商品・サービスの解約率のことで、SaaSにおける収益を示す重要な指標です。カスタマーチャーンレートやレベニューチャーンレートで収益状況を明らかにすることによって、ビジネスの成長や収益の維持に向けて戦略を立てられます。
チャーンレート改善には、価格・内容の見直し・顧客ニーズの調査が欠かせません、顧客ニーズを知った上で解約の理由を探り、チャーンレートを最適値にすることが求められます。SaaSを提供する企業は、チャーンレートに注目して運営していきましょう。
・代表の経歴
大学卒業後、IT企業に入社し、飲食・小売店向けタブレット型POSレジのパッケージ・SaaSの提案営業、また、グループ会社にて、中小企業の経営者を対象に、自社開発CMS、BtoBビジネスマッチングサイトのアウトバウンド営業を担当させて頂きました。その後、IT企業に特化した人材紹介会社にて、外資系・日系IT企業を対象にエンジニア採用のコンサルティング営業を経験し、IT/WEB業界における無形商材の営業経験をいかして、2017年3月に株式会社カタセルを設立しました。
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◆実績
上場企業から数名規模のベンチャー/スタートアップ企業のご支援を通じて、大手・中堅企業のキーマンとの1000件以上の商談獲得の実績がございます。商材については、B2B SaaS、HR Tech、AIなどといった新規性の高いサービスから、システムの導入支援や業務改善、組織変革のコンサルティングなどといった大企業の大きな課題を解決するソリューションまで、一般的に、複雑で分かりにくいとされる無形商材の営業支援が中心となっております。月間の商談獲得件数については、営業マン1名でご訪問頂ける月間5件といったミニマムスタートから、月間1000通以上の手紙送付、商談獲得30件といった比較的大規模なアプローチまで、各企業様のご意向にお合わせしたボリュームで営業支援をさせて頂いております。弊社が獲得した商談経由の受注実績については、数百万円からLTVで考えると一千万円前後の高単価の商材を中心となっております。訪問から受注までのリードタイムは、商材によっても大きくことなりますが、平均的に3~6ヶ月で、早いものですと1週間前後で契約に繋がった事例から、長いものですと1年以上かけて契約に繋げるものまで幅広くなっております。受注率についても商材によって大きく異なり、受注率20%の事例もございますが、逆に数%の確率で大型商談を狙うものまで、商材の性質や単価、企業様の営業戦略によって大きく異なります。まとめますと、弊社は、ご依頼頂く企業様の規模は問わず、IT、マーケティング支援、コンサルティングなどの高単価の無形商材で、大手・中堅企業をターゲットにする営業支援を得意としております。