今注目のセールスイネーブルメントとは?背景や主な業務、導入メリットなどを解説
アメリカで生まれたセールスイネーブルメントという言葉をご存じでしょうか。マーケティング用語のひとつで、日本で注目されている言葉です。直訳すると「セールスを可能にすること」となりますが、実際はどのような言葉・取り組みなのか気になるところです。
本記事では、今注目されているセールスイネーブルメントとは何かを解説します。登場した背景や主な業務、導入メリットもご紹介するので、ぜひ組織に取り入れてみましょう。
Contents
セールスイネーブルメントとは
セールスイネーブルメントとは、アメリカで生まれた考え方で、英語では「Sales Enablement」と表現されています。販売を可能にするという意味から、日本では売れるようになる組織作りと捉えられることが多いです。
コンサルティング・調査会社ITRによると、以下のように定義されています。
・セールスコンテンツを中核に据えた業務を効率化・高度化することで、営業力を強化するための製品・サービスhttps://www.itr.co.jp/company/press/190226PR.html |
セールスイネーブルメントの大きな目的は、営業力を強化することです。営業力を強化するために、コンテンツ作成やツールの導入、研修などの取り組みを行う役割を持っています。セールスイネーブルメントを実現するツールは、需要の高まりとともにベンダーも増え、今後浸透していくと予想されています。
セールスイネーブルメントが注目される背景
セールスイネーブルメントは、アメリカで誕生し、徐々に日本でも注目を集めるようになっています。注目され始めた背景には、一つ目にマーケティング手法の多様化があります。
営業において、マーケティングオートメーションやSFA、CRMなどを導入するのが一般的なりつつあり、テクノロジーが営業に取り入れられています。しかし、システム導入が目的になり、成果を生み出せない事例が多いのも事実です。システムのメリットを活かすためには、営業力も欠かせないので、営業力強化にフォーカスしたセールスイネーブルメントが注目を集めています。
また、マーケティング手法が多くある中で、効果測定が明確ではなく、成果が見えにくくなっている現状もあります。セールスイネーブルメントは、営業力強化を評価も含めてトータルで行うので、成果の可視化を実現します。
今後も営業活動へのシステム導入は続くと予想されます。新たなシステムが登場したり、営業の効率化・活性化が求められたりするなど、よりセールスイネーブルメントの重要性が増すでしょう。
セールスイネーブルメントの主な業務
セールスイネーブルメントとは何か、背景をご紹介しましたが、セールスイネーブルメントは具体的に何をするのでしょうか?セールスイネーブルメントの主な業務をいくつかご紹介します。
営業人材の教育
セールスイネーブルメントの目的である営業力強化を実現するため、営業人材の教育がメイン業務です。
営業活動に必要な知識として業界や市場、商材に関する知識を身に付ける研修を実施したり、実際の営業を想定した実践トレーニングを行ったりして、営業マンのスキルアップを目指します。
営業に関わるコンテンツ作成・管理
セールスイネーブルメントは、営業に関わるコンテンツ作成・管理も担います。営業で使用するトークスクリプトや営業資料だけでなく、内部向けのソリューションガイド、事例レポートなど、営業を活性化するコンテンツ・営業マンを育成するコンテンツの両方を作成・管理する役割があります。
営業支援ツールを導入・管理する
セールスイネーブルメントには、営業プロセスのボトルネックを改善する役割もあります。その手段として、SFAやCRM、MAなどのツールを導入・管理し、組織に営業プロセス管理や分析などを落とし込んでいきます。セールスイネーブルメントに活用するツールをセールスイネーブルメントツールと呼ぶこともあります。
営業マンを適切に評価する
営業マンの評価を明確にするのも、セールスイネーブルメントの業務です。営業マンの成果や行動などをトータルで評価・分析を行います。営業マンそれぞれの強み・弱みがわかるだけでなく、適切なフォローをすることでモチベーションを高める効果も期待できます。
セールスイネーブルメント導入のメリット
セールスイネーブルメントは、売れる組織になることであり、導入することによって、営業組織にメリットがあります。セールスイネーブルメント導入のメリットを3つおさえていきましょう。
営業力・営業効率の向上
セールスイネーブルメントによって、教育・研修やコンテンツ作成などを行うことで、営業マンそれぞれのスキルアップを期待できます。ツールの導入・管理や成果の可視化は、ボトルネックの発見につながり、営業効率の向上も実現できるでしょう。
アメリカでは、セールスイネーブルメント専門部署や担当者を配置する例もあります。営業力や効率に問題を抱えている場合は、セールスイネーブルメントに特化した取り組みを検討してみましょう。
営業ノウハウの共有による標準化
これまで営業活動は、営業マン個人にまかされることが多く、属人化が問題となっていました。スキルやノウハウに差が生まれ、組織としての営業成果を実現しにくくなります。セールスイネーブルメントは営業力強化をトータル的に支える役割があり、営業ノウハウの共有も担っています。
トップセールスのスキルやノウハウを共有できれば、組織内の営業ノウハウが標準化され、誰でも営業力を発揮できる体制をつくれるでしょう。
営業活動の可視化
セールスイネーブルメントでは、営業プロセスに着目して、多角的なデータで可視化を行います。コンテンツ作成も担っているので、可視化したプロセスに対して必要な情報を提供することができるので、営業活動の質を上げられます。
営業マン個人のプロセスに注目すれば、それぞれの強み・弱みにアプローチできます。教育・研修などのトレーニングに反映させてより効果的な取り組みが可能です。営業力強化を総合的に担うからこそできる役割と言えるでしょう。
まとめ
セールスイネーブルメントには、営業力強化をトータルで行う役割があります。マーケティング手法の多様化を背景に注目され、テクノロジーのメリットを最大限活かせるように、営業人材へのトレーニングやコンテンツ作成、ツールの導入・管理などによって、営業力強化を目指します。
また、属人化しやすい営業組織の標準化や営業プロセスの可視化などの導入メリットがあります。セールスイネーブルメントについて理解し、専門部署や担当者の配置も検討しつつ、導入を検討してみましょう。
・代表の経歴
大学卒業後、IT企業に入社し、飲食・小売店向けタブレット型POSレジのパッケージ・SaaSの提案営業、また、グループ会社にて、中小企業の経営者を対象に、自社開発CMS、BtoBビジネスマッチングサイトのアウトバウンド営業を担当させて頂きました。その後、IT企業に特化した人材紹介会社にて、外資系・日系IT企業を対象にエンジニア採用のコンサルティング営業を経験し、IT/WEB業界における無形商材の営業経験をいかして、2017年3月に株式会社カタセルを設立しました。
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