BtoBマーケティングの課題とは?ツール選びのポイントなどを解説

企業を対象とした製品・サービスを販売する上で欠かせないのがBtoBマーケティングです。BtoBマーケティングにはさまざまな手法があり、効果的に活用することで大きな成果が得られます。
一方で、BtoBマーケティングには多くの企業が陥りやすい課題も存在します。ここでは、BtoBマーケティングにおける課題を紹介するとともに、対処法や効果的なツール選びについても解説します。

BtoBマーケティングとは?

BtoBマーケティングの課題についてご説明する前に、そもそも「BtoBマーケティングとは何か」という点について解説します。
BtoBとはBusiness to Businessのことで、企業が企業を対象として行うビジネスを指す言葉です。ですから、BtoBマーケティングとは「企業向けの製品に関するマーケティング活動」全般を意味します。

BtoBマーケティングの施策は多岐にわたります。例えば、製品サイトやサービスサイトの構築、SEO、広告、展示会への出展、コンテンツマーケティング、ホワイトペーパーなどです。製品を販売するまでの一連の顧客獲得施策のすべてが、マーケティング活動といえます。

それぞれの施策の詳細や代表的手法については、こちらの記事をご参照ください。
BtoBマーケティングとは?注目される背景やリード獲得方法を解説

BtoBマーケティングにおける課題

BtoBマーケティングを行う際、課題になりがちな点が3つあります。どのような課題があるのか、なぜそのような課題が発生するのかについて見ていきましょう。

顧客理解が難しい

一般消費者を対象に販売するBtoC商材は、顧客理解が比較的容易であるといえます。例えば、「高級缶ビールなら40~60代の男性で家庭を持ち、職業は会社員、年収は400万~600万円」「低価格化粧品なら10代の高校生~30代の女性、社会人の場合は年収300万~500万円」といったように、商材の特性から顧客を細かく想定することはそれほど難しくないでしょう。なお、このような想定顧客像を、「ペルソナ」と呼びます。
一方、BtoB商材は、BtoC商材ほど顧客理解が簡単ではなく、ペルソナを設定しづらいことが多いです。例えば、HRテック関連のサービスを販売する場合、どこまで具体的に顧客を想定しているでしょうか。「ターゲットは製造業の人事部」くらいしか想定していないケースがほとんどだといえます。

また、一口に製造業といっても、実際にはさらに分野を細分化する必要があり、企業規模もまちまちです。
そのため、例えば「バイオ系の製造企業で、従業員は1,000人規模、人事専門の部署を持っており、急成長により部署間のコミュニケーションに課題が生まれている企業の人事部」というように、自社のサービス・製品の特性に合わせて、詳細に顧客像を想定することが大切です。
もちろん、サービスや製品によっては対象をここまで細かく絞り込めないこともありますが、いずれにせよ可能な範囲で顧客を具体的に想定しなければ、マーケティング施策の方向性も曖昧になってしまうのです。

BtoBマーケティングで、ここまで具体的に踏み込んで顧客理解を進めている企業は、あまり多くありません。8割方の企業は、顧客の解像度が低いままマーケティングを進めてしまっているのが現状です。

BtoCよりも制約が多く、マーケティング戦略が複雑化しやすい

BtoBにおけるマーケティングには制約が多く、BtoCよりも戦略が複雑になりやすい点も課題といえます。具体的に制約の対象となるのは、「予算」「ターゲット」「媒体」の3つです。

多くの場合、マーケティングにかける予算については、BtoBはBtoCほど潤沢ではありません。なぜなら、BtoCほど顧客の全体数が多くなりにくいからです。例えば、BtoC商材である化粧品は非常にターゲット層が広く、ヒットすれば莫大な売上が見込めます。そのため、広告費に1億円を投じて、売上1,000億円を目指すといったように、大規模な戦略がとれます。

マーケティング戦略自体もBtoCの場合は比較的わかりやすく、キャンペーンや広告、イベントなどを行うなどのさまざまな媒体を用いることで顧客とコミュニケーションが可能です。一方、BtoBの場合はそのようなゴールに直結するマーケティング施策をとれるとは限りません。そもそも、BtoCに比べてターゲットとなる顧客層が狭く、予算も限られるため、広告の物量で攻めるという戦略がとりにくいのです。

さらに、企業を対象とするBtoB商材はBtoCよりも価格が高額なので、検討期間も長くなりがちです。仮に広告などでターゲットに認知されたとしても、そこから成約につなげるには、ある程度の期間をかけてコミュニケーションし続ける必要があります。BtoCのような衝動買いが期待できない点が、BtoBのマーケティング戦略を難しくしている原因でもあります。

企業と個人のどちらのペルソナを設定すべきかを見極める必要がある

「BtoB商材は企業を対象とする商材であるから、ペルソナも企業単位で設定しなければならない」と考えている人も多いでしょう。しかし、BtoBだからといって、必ずしも企業をペルソナに設定しなければならないというわけではありません。中には、「企業の中の個人」をペルソナにすべき場合もあるのです。

企業と個人、どちらをペルソナに設定するべきなのかは、商材の種類によって異なります。例えば、「大規模な製造業向け」という特徴を持っているのであれば、重要なのは企業規模と業界であるため、「企業」をペルソナに設定すべきであるといえます。
一方、「企業規模や業界は問わず、テレワークの導入によりコミュニケーション課題に悩んでいる人事部のマネージャー」が対象となる商材なのであれば、「個人」をペルソナに設定したほうがベターです。

企業と個人、どちらをペルソナに設定するべきなのは商材の特性によります。重要なのは、自社の商材を理解すること、そして自社の商材の顧客理解を深めることなのです。
また、実際にペルソナを作成する場合には、企業ペルソナと個人ペルソナで、それぞれ下記のような項目を設ける必要があります。

・企業ペルソナを作成する際に設けるべき項目
企業をペルソナとする場合に設定すべきは、売上や従業員数といった組織規模と、その企業の概要や特徴です。また、企業ペルソナが抱えがちな課題も設定しましょう。

・個人ペルソナを作成する際に設けるべき項目
企業内の個人をペルソナとする場合、まずは職種や役職を設定しましょう。具体的には人事部なのか、営業なのか、開発職なのか、部署全体の責任者なのか、はたまたチームをまとめるリーダーなのか、一般のメンバーなのかなどについて設定します。
さらに、業務内容についても想定しておきます。これは、業務内容の中で自社の製品・サービスがどう役立つかを考えるために必要であるためです。

個人ペルソナを作成する際に最も重要なのは、「誰にアプローチすればいいのか」を間違えないことです。アプローチすべきなのは、部長クラスの決裁者なのか、現場の担当者なのか、チームのリーダーなのか。誰にアプローチすれば受注につながるのかは、業界や企業によって異なります。しっかりと顧客理解を深め、アプローチするべき対象者を見つけることが重要です。

BtoBマーケティングに効果的なツール

BtoBマーケティングを行う上で、具体的にはどのようなツールを活用すればいいのでしょうか。ここでは、4つの代表的なツールについてご説明します。

MA

MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティング施策の多くを自動化できるツールで、導入することにより業務の効率化を図ることができます。例えば、メールマーケティングを行う場合、自社のウェビナーに初めて参加した人と何度も参加している人とでは、配信するメールの内容を分けるべきだといえます。

だからといって、大量の参加者リストを手動でチェックし、振り分けていたのでは時間がいくらあっても足りません。MAを使用すれば、「過去に何度ウェビナーに参加したのか」という条件でフィルタリングでき、効果的なメールマーケティングが簡単に実施できるのです。
このように、人の手では膨大な時間がかかってしまう作業を自動化・効率化できるのがMAです。さまざまな企業がMAをリリースしているため、自社のニーズに合わせて選択しましょう。

SFA

SFA(セールスフォースオートメーション)は、営業業務を効率化し、生産性を高めるためのツールです。SFAの主な機能には、顧客管理、案件管理、行動管理、レポート管理などがあります。

・顧客管理機能
顧客管理機能は、社名や業界などの顧客情報の管理ができる機能です。また、基本情報のみならず、役職や業務内容、さらに自社の営業担当者がアプローチした際の営業履歴なども一元管理することができます。

・案件管理機能
案件管理機能は、進行中の案件を管理するための機能です。どの企業に、どの営業担当者が営業をかけているのか、進捗状況や受注確度といった案件情報を一元管理することによって、ほかのメンバーともスムーズに情報を共有することができます。

・行動管理機能
行動管理機能は、営業の行動を管理する機能です。どのように営業活動を行っているのか、どのように提案を行っているのか、受注率はどれくらいなのかといった情報をまとめて可視化することができます。営業担当者の評価をする際にも活用できる機能です。

・レポート管理機能
レポート管理機能は、日報などのレポートを管理する機能です。営業担当者が入力したレポートがまとまっているため、マネージャーによる確認もしやすくなります。

アナリティクスツール

アナリティクスツールは、主にユーザーの行動履歴などを分析するために活用されるツールです。ここでは、代表的な3つのアナリティクスツールについてご説明します。

・アクセス解析ツール
アクセス解析ツールは、自社のウェブサイトを訪れたユーザーの行動を分析するツールです。PVや離脱率、ページの遷移などをチェックすることで、ウェブサイトに潜む課題を明確化することができます。

・ヒートマップツール
ページ内での行動をより可視化するのが、ヒートマップツールです。ページ内でユーザーがよく見ている箇所、あまり見られていない箇所、離脱した箇所などをわかりやすく色分けしたヒートマップで表示することができます。

・アトリビューション分析ツール
広告に特化して分析するのが、アトリビューション分析ツールです。広告がコンバージョンに対してどれだけ貢献しているのかを分析でき、広告戦略に役立てることができます。

広告運用自動化ツール

広告運用自動化ツールは、自社の運用広告を自動化できるツールです。これにより、常に管理画面に張りついて人の手で広告を運用する必要がなくなります。活用が必須というほどではありませんが、マーケティング施策を実施する上で有効なツールのひとつです。

BIツール

BIツールは「ビジネスインテリジェンスツール」の略で、企業が蓄積しているデータを統合し、見やすく可視化できるツールです。データ分析に慣れていない担当者や経営者にも扱いやすいツールであり、マーケティング戦略の立案に効果的です。こちらも広告運用自動化ツールと同様、活用が必須というほどではありませんが、マーケティング施策を実施する上で有効なツールです。

マーケティングツールを選定する際のポイント

マーケティングツールは、どのような点に注意して選べばいいのでしょうか。ここでは、マーケティングツールを選定する際の4つのポイントについてご説明します。

BtoCではなくBtoBに適したツールである

BtoBのマーケティングは、BtoC向けのマーケティングとは大きく異なります。BtoBに適したマーケティングツールを、しっかりと見極めることが必要です。

使い勝手が良い

マーケティングツールを導入する際には、ツールの使い勝手も重要なポイントです。操作性が悪いと、使いこなすまでに時間がかかってしまい、担当者が替わって引き継ぐ際にも教育コストがかかります。そのため、なるべく直感的に操作できるツールを選ぶようにしてください。

サポートが充実している

サポートが充実しているかどうかという点も、マーケティングツールを選定する際の重要なポイントです。サポートが充実していれば、ツールの運用もその分、楽になります。

定期的なアップデートがある

定期的にアップデートされるツールを選ぶというのも、マーケティングツールを選定する際に押さえておくべきポイントです。定期的にアップデートされているツールは、いち早くマーケティングのトレンドを取り入れた新機能などが実装されるツールであるといえるためです。

BtoBマーケティングの成功は、自社の課題に合ったツールの導入がカギ

BtoBマーケティングは、BtoCマーケティングとは大きく異なります。そのため、施策を実施する際には、BtoBならではの課題にしっかりと対処していくことが大切です。課題解決につながるさまざまなツールがリリースされているので、自社に合ったものを導入するようにしましょう。

また、BtoBマーケティング施策と同様に、企業にとって重要なのが営業戦略です。カタセルは、営業代行サービスやテレマーケティング代行サービスを展開している会社です。各企業のキーマンに直接アプローチ可能なデータベースとノウハウを持っており、セールスレターを活用したインパクトのある営業活動は、他社にはない特長です。

BtoBマーケティング施策、および営業活動を効率的に行いたい場合は、ぜひカタセルをご検討ください。

料金体系や導入事例など詳細資料をお送りします!カタセルの資料請求はこちら。
資料ダウンロード

大型商談を成約に導く一風変わったアプローチ方法とは?
大型商談を成約に導く一風変わったアプローチ方法とは?

関連記事related posts

ブログ記事一覧へ
  1. Home
  2. ブログ
  3. Sales Tools
  4. BtoBマーケティングの課題とは?ツール選びのポイントなどを解説

送信することでプライバシーポリシーに同意したものとします。

資料ダウンロード