セールステックとは?注目される背景や7つのカテゴリなどを解説

テクノロジーの発展が目覚ましく、様々な分野にテクノロジーが取り入れられています。金融とITを組み合わせた「Fintech」や人事とITを組み合わせた「HRtech」などが注目されています。

営業分野にもテクノロジーが取り入れられており、セールステックと呼ばれていますよ。新しい営業の形であり、流れを敏感に捉え、積極的に活用することが大切になってくるでしょう。

今回は、セールステックについて、注目されている背景や主なカテゴリー、活用するために必要なこと・スキルを解説します。

セールステックとは

フィンテックなど〇〇テックというビジネス用語を聞いたことがありませんか?

〇〇には、業界や分野を表す言葉が入り、テックは「technology」の「tech」をとっています。フィンテックであれば、「Finance(金融)」と「technology」のかけ合わせとなり、金融分野にテクノロジーを取り入れた仕組みのことを指します。

セールステックは、「Sales(営業)」と「technology」の略色となり、営業分野にテクノロジーを取り入れた仕組みで、営業に新たなイノベーションが生まれています。

これまでの営業組織は、営業マンのパフォーマンスに頼る一面もありましたが、セールステックによってシステムが活用され、効率化や活性化が図られています。今後、さらにセールステックが活用されるようになれば、より営業の効率化・活性化を実現できるでしょう。

セールステックが注目されている背景

営業分野にテクノロジーを取り入れたセールステックですが、なぜ注目されるようになったのでしょうか?その背景には、IT技術の発達など様々な要因があります。

IT技術の発達

セールステックが注目された背景には、やはりIT技術の発達が最も関わりが強いでしょう。IT技術の発達によって、AIやクラウド、5Gなどの革新的な技術が次々と生み出され、様々な分野に導入されています。

営業分野も同様で、テクノロジーの発達によって効率化が目指されています。これまで営業分野は足で稼ぐスタイルが定着しており、営業マンのスキルやノウハウ、行動量などが営業組織を支えていました。

営業マン個人のパフォーマンスだけでは、個人への負担が大きく、組織として健全かと問われるとそうではありません。IT技術の発達によって、営業組織も変化のときを迎えています。

労働力人口の減少

厚生労働省職業安定局が平成30年4月に発表した「雇用を取り巻く環境と課題について」によると、現在から2065年にかけて、人口・生産年齢人口は中長期的に減少する見込みとなっています。

人口の減少に合わせて、65歳以上人口の割合が多くなり、労働力である現役世代の割合は少なくなっていく予想があります。

労働力人口は将来的な問題ではなく、既に様々な企業が人材不足に直面しています。営業人材の不足は特に顕著です。エン・ジャパンが行った「人材不足の状況」では、「人材が不足している部門がある」と回答した企業の35%が営業職と答えています。

今よりもさらに少ない営業人材で成果を生み出す必要が出てきます。これまでの足で稼ぐスタイルからの変化が求められ、セールステックの活用に注目が集まっているのです。

参考:

厚生労働省職業安定局「雇用を取り巻く環境と課題について」

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11601000-Shokugyouanteikyoku-Soumuka/0000062121_1.pdf

エン・ジャパン「人材不足の状況」

https://at-jinji.jp/blog/24732/

セールステックのカテゴリー

セールステックとして、様々なツールやサービスが提供されています。ツール・サービスによって得意とする分野が異なり、いくつかのカテゴリーに分けることができます。主なカテゴリーの特徴を見ていきましょう。

フィールドセールス

フィールドセールスとは、訪問営業のことを言い、セールステックにおいては外勤営業を支援するツールとなっています。代表的なツールはSFAと呼ばれる営業支援システムです。営業活動の進捗管理や予算管理、目標管理などをシステムで行うことができ、ツールによってはデータ分析など幅広い機能を備えています。

営業活動をトータルでサポートできるツールであり、営業人材不足の解決や効率化などの実現を期待されています。

インサイドセールス

インサイドセールスは、フィールドセールスとは対照的に、オフィスでの内勤型営業のことを指します。オフィスにいながらメールやWebコンテンツの配信などでマーケティングを行い、顧客の獲得や開拓を目指す手法です。

インサイドセールスの分野では、MA(マーケティングオートメーション)といったツールが注目されています。マーケティング業務を自動化することができ、効率化やデータの管理を可能にします。

フィールドセールスとインサイドセールスを組み合わせる企業も増えており、セールステックにインサイドセールスを任せ、フィールドセールスに注力するという活用方法も可能です。

オンライン商談

取引先を実際に訪問する手法も実践されていますが、ツールを使用したオンライン商談も活用されています。

オフィスにいながら場所を問わずに商談することができるので、営業活動の効率化やコストの削減などに効果的です。

BI(ビジネスインテリジェント)

BI(ビジネスインテリジェント)は、ビジネスの頭脳という直訳の通り、営業活動などのデータを収集・分析・可視化する機能を持っています。

属人化しがちだった営業活動をデータで可視化することによって、これまで見えてこなかった課題や強みが見えてくるはずです。

グループウェア

グループウェアは、社内のコミュニケーションを活性化するためのツールです。メールやチャット、掲示板などの機能によって、業務上のコミュニケーションやタスク管理、ファイル共有などを円滑に進めることができます。

営業組織を運営する上で、メンバーのコミュニケーションは必要不可欠です。グループウェアによって、人間関係づくりやタスク漏れの防止などを実現できるでしょう。

カスタマーサポート

顧客の満足度を向上しリピーターを獲得するために、カスタマーサポートの分野にもセールステックが導入されています。

カスタマーサポートに対してひとつひとつマンパワーで対応するのは簡単ではありません。メールのプラットフォームやチャットボットなどによって、カスタマーサポートを自動化し、時間を問わず対応できるようになります。

また、カスタマーサポートに寄せられた意見を保存する機能も特徴的です。意見を参考に、よくある質問やFAQを作成したり、商品・サービスの改善に役立てたりできます。

ペーパーレス

これまでは紙の書類を使う機会が多くありましたが、管理やコスト、資源などの側面から電子化が進んでいます。ペーパーレスとは、電子データ化をサポートするセールステックのことです。

具体的には、様々な紙のドキュメントをデジタル形式に変換することで、物理的にスペースを広くとることができます。

ペーパーレスツールによって、資料を探す手間を減らしたり、必要なときにアクセスしやすくなったりする効果を期待できます。

セールステックを生かすために必要なスキル

様々なカテゴリーのセールステックがありますが、導入するだけでは効果を実感することはできません。セールステックを生かすためにはいくつかのスキルが必要です。

ツールを柔軟に受け入れる姿勢

セールステックは、まだ浸透しつつある状況ですが、労働人口の減少や営業人材の不足などの課題によって、活用すべき状況が訪れるでしょう。これまでの営業スタイルにこだわったり、IT化の流れを注視していなかったりすると、時代に取り残され、営業の成果でも壁に直面する可能性が高いです。

セールステックが重要性を増していく中で、ツールを柔軟に受け入れる姿勢が求められます。新しい営業の形を受け入れ、必要な部分に最適なツールを導入することによって、営業活動の効率化を実現できます。まずはセールステックに興味を持ち、自社の課題にマッチするかを考えてみましょう。

数字を読み取り実践に移す力

セールステックを導入することによって、営業に関わる様々なものが数値化されます。売上はもちろん、各項目の達成率など細かいデータも数字となって現れます。数字はセールステックが注目される以前から営業分野にありますが、これまで以上に分析力やそれに基づく判断力・行動力が求められます。

ただ数字の良し悪しで一喜一憂するのではなく、数字から現状や課題を読み取りましょう。数値をさらに伸ばしたり、改善したりする対策を考え、行動に移すことによって、他の組織やチームに差をつけることができるでしょう。

セールステックを上手く活用するために大切なこと

セールステックを上手く活用するためには、ツールを受け入れる姿勢や数字を読み取る力のほかにも大切なことがあります。課題設定や運用の徹底など導入前・後の取り組みにも力を入れましょう。

課題を明確にする

注目されているセールステックをただ導入すればよいというわけではありません。セールステックがなくても円滑に動けている部分ならば、必ずしも導入は必要ないでしょう。

セールステックを有効活用するためには、まずどこに課題があるかを明確にしましょう。例えば、営業の進捗管理が上手くいかず失注が多く出てしまっているなら、SFAの導入で状況の改善を期待できます。

顧客管理に課題があるならCRM、マーケティングが上手くいっていないならMA、さらにデータサイエンスなども近年では流行してきており、SQLやTablueなどの最新のツール等も含め、課題に合わせたセールステックツールを導入しましょう。

必要なセールステックだけを導入する

セールステックの導入で失敗しがちなのが、計画性なく導入してしまった結果、運用できずに定着しないということです。セールステックが注目されているからといって、SFAやCRM、MA、カスタマーサポートなどがすべて必要とは限りません。

よくあるパターンで、無計画でセールステックを導入した結果、結果的に同じようなツールが乱立する事態になり、コストが無駄にかかってしまうだけでなく、オペレーション上も、様々な人がばらばらにツールを使うことで業務を円滑に進めることができなくなるなどの悪しき習慣を生み出してしまうことがあります。

課題を明確にした上で、必要なセールステックだけを導入するのがポイントです。無駄なツールの運用を省くことによって、ツールの使い方を共有することができたり、運用体制を整えたりすることができます。

導入で終わらず運用を徹底する

セールステックの導入が目的になってはいけません。セールステックはどれもデータ管理や分析など優れた機能を備えていますが、実際に運用することが大前提です。

セールステックの効果を実感するためには、導入後の運用を徹底しましょう。ツールの使い方を全体に周知し、データ入力の方法やデータの見方などを身に付け、ツールを有効に活用することが大切です。

まとめ

セールステックとは、営業とテクノロジーが組み合わさった造語です。フィールドセールスやインサイドセールス、カスタマーサポートなど7つのカテゴリがあり、様々なツール・サービスが提供されています。営業に関わる様々な分野の効率化や活性化を実現可能です。

セールステックを有効に活用するためには、導入で終わらず運用を徹底すること、課題に合わせたツールを導入しましょう。自社に必要なツールを見極め、セールステックを実際に活用してみてくださいね。

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