営業は課題解決が仕事なのか?
以前の営業スタイルではとにかく売り込んで進めることもありました。現在は、売り込み型営業ではなく、顧客の課題を引き出して解決する課題解決型営業が求められています。では、営業は課題解決そのものが仕事と言えるのでしょうか?
本記事では、営業が課題解決が仕事なのかについて説明するとともに、課題解決のプロセスやポイント、課題を引き出す方法などを解説していきます。
Contents
営業は課題解決できることを提示する仕事
営業という仕事は、自社の商品・サービスの紹介するだけでは成り立ちません。商品・
サービスがどんなに優れていても、「今は必要ありません」と言われてしまえば、売ることは難しいです。また、営業では信頼関係の構築も欠かせません。顧客から信頼されることで初めて、商品・サービスを買ってもらえます。
そして何より大切なのが、顧客の課題を解決することが営業の役目です。顧客が抱える問題や悩みを引き出し、それを解決する商品・サービスを提案することによって、顧客は商品・サービスに必要性を感じ、購入・利用に至ります。
営業は課題解決が仕事と言い切れるように感じますが、課題解決しているのはあくまで商品・サービスです。そのため、営業は課題解決できることを提示するのが仕事と言えるでしょう。
課題解決のプロセス
顧客の課題解決を実現するために、「課題は何ですか?」と聞いて、簡単に解決できることはほとんどありません。課題解決するまでにはプロセスがあるので、どのような流れがあるかおさえていきましょう。
課題を掘り起こす
まずは解決すべき課題を掘り起こす必要があります。一番シンプルなのは、「課題は何ですか?」「弊社の課題は〇〇です」「それなら、弊社の△△で解決できますよ」というパターンですが、そう簡単にはいきません。
ヒアリングのステップで質問をしながら、課題を探っていきましょう。現状について質問しているなかで顧客から課題や悩みが出てくることもあります。なかなか出てこないときは、現状を整理して「〇〇が課題のように感じられますが、どうでしょうか?」など問いかけも交えつつヒアリングを行うと、より明確な課題を見つけられます。
自覚していない課題にアプローチする
ヒアリングによって明らかになった課題が本当の課題とは限りません。さらに課題を掘り下げようとヒアリングを続けていると、当初の課題とは異なる課題が見えてくる可能性があります。既にわかっているニーズを顕在ニーズ、顧客も自覚していないニーズを潜在ニーズと言います。
潜在ニーズに本当の課題が隠れています。顧客の提示する課題を鵜呑みにするのではなく、常に「なぜ?」という思考を持ち、潜在ニーズに迫っていくことが大切です。「〇〇という現状がありますが、なぜそのようになったのでしょうか?」「〇〇といった対策をしていないのはなぜでしょうか?」などの質問をすることで、課題を深堀りできます。
課題を解決すべきイメージを持たせる
課題を把握・整理するプロセスの次に大切なのが、課題解決のイメージを持たせることです。どのように課題解決のイメージを持たせるのか、3つの方法を解説していきます。
過去現在未来のイメージを持たせる
顧客が抱える課題や悩みを解決するイメージを持たせるときは、過去・現在・未来を意識しましょう。過去は、現在に至るまでの状況で、これまでに導入していた商品・サービスや組織の体制などを思い出させます。他の商品・サービスでは解決できなかったために、現在の課題・悩みがあると今に結びつけましょう。
現状に対して、商品・サービスを導入することによって、未来がどのように変わるかイメージを持たせられれば、受注はもうすぐそこです。
重要性、緊急性をアピールする
イメージを持たせたとしても、「まだ深刻ではない」「すぐ導入しなくてもいい」と考えを持っている顧客だと、受注に結びつかないおそれがあります。今すぐ課題を解決すべきと思わせるために、重要性や緊急性をアピールして危機感を煽りましょう。
「このままの状態だと経営が難しくなる時期がきます」「今導入しないとこの先も改善されないでしょう」といった問いかけを行い、このままではいけないという認識を持ってもらうことが重要です。
サービス説明前が重要
商談において、商品・サービスの説明も必要なプロセスです。売り込み型営業になってしまうと、とにかく商品・サービスの良さを売り込まなければと、課題が明らかにならないまま商談を進めてしまうでしょう。
課題を解決すべきをイメージを持たせるためには、商品・サービスを説明する前の段階が重要です。いかにヒアリングで課題を掘り起こし、今解決すべきことを強調することで、商品・サービスの説明もスムーズに進みます。サービス説明前を怠ると、要点が伝わらず必要感を訴求しきれないでしょう。
潜在ニーズを引き出す方法
顧客も自覚していない潜在ニーズを引き出すためには、ストレートに聞いてもあまり効果を期待できません。SPIN話法といった潜在ニーズを引き出す方法をご紹介するので、ぜひ実践してみましょう。
SPIN話法
SPIN話法とは、ヒアリングで活用される手法です。Situation・Problem・Implication・Need Payoffといった4つの頭文字をとった手法で、それぞれ以下のような意味があります。
・Situation Questions:状況質問
・Problem Questions:問題質問
・Implication Questions:示唆質問
・Need Payoff Questions:解決質問
4つの質問を順にしていくことで、顧客の課題を明らかにし解決につながる提案ができるようになります。流れとしては、まず状況質問で、顧客を取り巻く状況や環境など既にわかっていることを把握・整理します。
次の問題質問では、状況質問を踏まえて、問題になりそうな部分を問いかけていきます。例えば、「〇〇を利用しているようですが、コストはどのくらいにかかっていますか」など、現状に対してどのような課題を持っているかを引き出していきます。
示唆質問は、問題質問で明らかになった課題を顕在化させる目的があります。「コストが多くかかっているようですが、経営への影響はありませんか?」といったように、課題を深掘りします。
最後の解決質問では、解決策を提案するための質問を投げかけましょう。「弊社のサービス〇〇なら、課題を解決できますがどう捉えていますか?」と問いかけ、自社商材による解決イメージを持たせ、提案につなげていきます。
課題がないときはポジティブワード
顧客によっては、課題がないこともあります。大前提として、課題がない顧客に提案するのは難しいです。ただ、現状に満足しているようで、実は課題を抱えていることもあります。
そこで意識したいのは、ポジティブワードで褒めきることです。「課題がないのはすばらしいことですね」「これからもどんどん伸びていきますね」など褒めていると、「実は〇〇に問題があって…」と課題が出てくるでしょう。
まとめ
営業には、顧客の課題に対して、解決を助ける商品・サービスを提案する役目があります。提案をするためには、まず課題を掘り起こすことが必要で、「なぜ?」という気持ちを大事にして、課題を深掘りすることが大切です。掘り起こした課題を解決すべきイメージを持たせるのも重要で、過去・現在・未来のイメージや重要性・緊急性をアピールし、今導入すべきイメージを持たせましょう。課題解決を意識した営業で、顧客のニーズにマッチした提案を行ってくださいね。
・代表の経歴
大学卒業後、IT企業に入社し、飲食・小売店向けタブレット型POSレジのパッケージ・SaaSの提案営業、また、グループ会社にて、中小企業の経営者を対象に、自社開発CMS、BtoBビジネスマッチングサイトのアウトバウンド営業を担当させて頂きました。その後、IT企業に特化した人材紹介会社にて、外資系・日系IT企業を対象にエンジニア採用のコンサルティング営業を経験し、IT/WEB業界における無形商材の営業経験をいかして、2017年3月に株式会社カタセルを設立しました。
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◆実績
上場企業から数名規模のベンチャー/スタートアップ企業のご支援を通じて、大手・中堅企業のキーマンとの1000件以上の商談獲得の実績がございます。商材については、B2B SaaS、HR Tech、AIなどといった新規性の高いサービスから、システムの導入支援や業務改善、組織変革のコンサルティングなどといった大企業の大きな課題を解決するソリューションまで、一般的に、複雑で分かりにくいとされる無形商材の営業支援が中心となっております。月間の商談獲得件数については、営業マン1名でご訪問頂ける月間5件といったミニマムスタートから、月間1000通以上の手紙送付、商談獲得30件といった比較的大規模なアプローチまで、各企業様のご意向にお合わせしたボリュームで営業支援をさせて頂いております。弊社が獲得した商談経由の受注実績については、数百万円からLTVで考えると一千万円前後の高単価の商材を中心となっております。訪問から受注までのリードタイムは、商材によっても大きくことなりますが、平均的に3~6ヶ月で、早いものですと1週間前後で契約に繋がった事例から、長いものですと1年以上かけて契約に繋げるものまで幅広くなっております。受注率についても商材によって大きく異なり、受注率20%の事例もございますが、逆に数%の確率で大型商談を狙うものまで、商材の性質や単価、企業様の営業戦略によって大きく異なります。まとめますと、弊社は、ご依頼頂く企業様の規模は問わず、IT、マーケティング支援、コンサルティングなどの高単価の無形商材で、大手・中堅企業をターゲットにする営業支援を得意としております。