営業パーソンが知っておくべきロジカルシンキングとは

ロジカルシンキングは、論理的思考と言い換えることができ、ビジネスシーンに関わらず必要な考え方です。営業においても重要で、ロジカルシンキングをどのように使うべきか知っておくべきでしょう。

本記事では、営業パーソンなら知っておくべきロジカルシンキングについて、必要性などを解説していきます。

ロジカルシンキングとは

ビジネスシーンで聞く機会の多いロジカルシンキングという言葉ですが、どのような考え方か具体的に捉えられていないことも多いでしょう。ロジカルシンキングとは、直訳すると論理的思考と言い換えられ、論理的とは何かが鍵となります。

論理的という言葉には、以下のような意味があります。

・「きちんと筋道を立てて考えるさま」デジタル大辞泉・「論理にかなっているさま」大辞林・「前提された事件や事情から正しく推論するさま」日本国語大辞典

いくつかの意味から考えると、ロジカルシンキングとは、直感的ではなく、根拠に基づいて結論を述べるような、筋道を立てる考え方とわかります。また、根拠を見つけるために状況から推測する力もロジカルシンキングに含まれます。

営業に置き換えると、顧客に対して、顧客の状況から課題やニーズを予測して、根拠づけて提案するために、ロジカルシンキングが求められます。

営業に高度なロジカルシンキングは必要ない

営業において、求められるロジカルシンキングは高度なものではありません。外資系コンサルティング企業などでは高度なロジカルシンキングを求められますが、一般的な営業職には基本的なロジカルシンキングで十分と言います。

必要になるのは、当たり前のことに気づき、当たり前に気づいたことを伝えることです。気づいたことを伝えるというのは一見簡単に聞こえますが、課題やニーズが顕在化している顧客だけではありません。顧客自身が課題やニーズを自覚していない場合も多く、顧客の言うことを鵜呑みにしてしまうと、商談は進みません。

例えば、顧客に「興味はあるけど売上などの成果をにつながる保証がないものになかなか投資できない」と言われたとします。確かにその通りだと思えますが、実際に売上を必ず保証できるものは存在しません。投資と改善の繰り返しで成果を得るものですが、営業の場では気づくのは難しいです。

そのため、営業マンは顧客の言うことを鵜呑みにしない意識を持ちましょう。「売上を完璧に保証できる商品・サービスはないですよね」としっかりと説明した上で、根拠と結論を組み立て、提案する必要があります。

ロジカルシンキングで活用したいフレームワーク

ロジカルシンキングを実践するためには、思考の枠組みであるフレームワークを活用してみましょう。ロジカルシンキングに役立つフレームワークをピックアップしたので、ぜひ参考にしてみましょう。

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーとは、ピラミッド状に根拠と結論を組み立てるフレームワークです。ピラミッドの頂点が最終的に提案したい事柄を配置し、ピラミッドの下層から事実や根拠を当てはめていきます。

下層にある根拠を活用して、「〇〇だから〇〇です」と主張できるようになります。根拠を整理できていない場合は、ピラミッドストラクチャーを活用してみましょう。

ロジックツリー

ロジックツリーとは、考えたいテーマをツリー状に細分化するフレームワークでいくつかの種類があります。要素分解ツリーでは、問題の全体像をスタートにして、細かく状態を部分に分けていきます。ターゲットを分析するとして、20代がスタートならば20代男性・20代女性と分かれ、さらに細かく分岐させていくことで、状況が明確になります。

原因究明ツリーでは、問題をツリーのスタートに設定します。「なぜ売上が落ちているのか?」をスタートにすると、単価や利用者数などの原因に分かれ、分かれた原因を引き起こしている要因をさらに掘り下げていきます。最終的に根本的な原因が見えてくるはずです。

MECE

MECEとは、Mutually Exclusive and Collective Exhaustiveの略称で、漏れなくダブりなくという意味があります。現状を整理したいときに活用されるフレームワークで、ロジカルシンキングの基本と言えます。

顧客の属性や問題の所在を明らかにするとき、条件が漏れていると正確な分析ができません。漏れなく状況を整理できているか、どの条件がダブっているのかをしっかり把握しましょう。

3C分析

3C分析の3Cは、Company(自社)・Customer(顧客)・Competitor(競合)を表しています。それぞれの現状を把握した上で、3つの関係性を考えるフレームワークです。自社だけでなく、競合も考える項目に含まれているので、他社比較されているときのロジカルシンキングに効果を発揮します。

4P分析

4P分析の4Pは、Product(商品)・Price(価格)・Promotion(販促)・Place(流通)の4つです。商品を軸に考えるフレームワークで、商品・サービスの課題やニーズを洗い出すために活用されます。上手く商品・サービスを訴求できていないときに活用したいフレームワークです。

パーセプションマップ

パーセプションマップでは、横軸と縦軸を設定し、4つの領域にターゲットや商品・サービスをセグメントするフレームワークです。例えば、縦軸に質、横軸に量を設定すると、右上の領域は質が高く量も多いとわかります。他のフレームワークとは違って、図解で整理するので、視覚的に整理したいときに効果的な方法です。

SWOT分析

SWOT分析は、内部要因と外部要因に分けて、強み・弱みを分析するフレームワークです。内部要因はStrength(強み)・Weakness(弱み)、外部要因はOpportunities(機会)・Threats(外部要因)で、状況・課題を整理します。3C分析と同様に、他社などの外部要因に目を向けるので、他社比較でのロジカルシンキングに効果的です。

「なぜか?」を重視した納得感のある営業が大事

ロジカルシンキングに関わって、営業が大切にしたいのは「なぜか?」という考え方です。ロジカルな提案をするためには、確実な根拠を求められます。商品・サービスの説明をする際に、「弊社のサービスは〇〇が強みです。」だけだと、なぜ強みなのか、どうメリットがあるのかが伝わりません。

なぜを意識して、「弊社のサービスは〇〇が強みです。なぜなら~」と続けることで、顧客に納得感を与えられます。理由については、会社として理由を持っていることもあれば、そうではないこともあります。会社として理由がない場合は、営業パーソン個人が提案に応じて、なぜを考えて提案にプラスしましょう。

他社比較されたときにロジカルシンキングは必要?

アウトバウンド営業やインバウンド営業など、手法に限らず、自社だけでなく競合他社もアプローチしていて、他社との比較・検討が行われる場合があります。他社比較された際には、ロジカルシンキングで切り返すことが大切です。

ロジカルシンキングでは、他社と比較されている部分にピンポイントにアプローチしましょう。根拠をしっかりと分析し、他社と比べて自社のここが強みというのをアピールすることで、自社を選んでもらえるように提案しましょう。

まとめ

営業パーソンには、高度なロジカルシンキングは必要ないものの、当たり前のことに気づいて、当たり前のことを根拠立てて伝えることは求められます。そのためには、顧客の言うことを鵜呑みにしないことが大切で、常になぜかを考えるようにして、納得感のある営業を実践しましょう。

また、他社比較をされたときにもロジカルシンキングは必要です。他社と比べて、なぜ自社に強みがあるのかが明らかになれば、自社を選んでもらえる可能性が高くなります。ロジカルシンキングについて理解し、営業に取り入れてみましょう。

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