アトリビューションモデルとは?7つのモデルや分析手法・流れを解説
マーケティングにおいて、顧客のコンバージョンは獲得しなければならない重要な指標です。ただ、コンバージョンに至るまでの過程は顧客によって異なりますので、どのようなルートでコンバージョンしたのかを分析することが必要になります。
そこで重要になるのがアトリビューションモデルという考え方です。今回は、アトリビューションモデルの定義や必要性、7つのモデルなどを詳しく解説します。アトリビューション分析の流れや活用できるツールもご紹介しますのでぜひ参考にしてみましょう。
アトリビューションモデルとは
アトリビューションモデルという言葉に馴染みがない方も多いかもしれません。まずは、アトリビューションモデルの定義や必要性など基本をおさえていきましょう。
アトリビューションモデルの定義
アトリビューションモデルとは、アトリビューション分析を行うためのモデルやフレームワークのことを言います。アトリビューション分析は、顧客がコンバージョンに至るまでの各広告の成果を図る分析です。
モデルがないままアトリビューション分析を行うとなると、分析の指標がなく、効果的な分析が難しくなるでしょう。何に対してどのように分析をするかをモデルで明確にすることによって、より正確なデータを抽出できる可能性が高くなります。
アトリビューションモデルの必要性
アトリビューションモデルやアトリビューション分析は、なぜ必要になっているのでしょうか?
その理由のひとつが、顧客と広告の接点が増えていることです。コンバージョンに至るまでの広告はひとつだけでなく、検索やWeb広告、バナー広告など様々な広告があります。よりコンバージョンにつなげる可能性を高めるには、どの広告の効果が高いのかを知ることが大切です。
もう一つの理由として、広告の費用対効果を高めるという目的があります。広告ごとの効果を測定できていない段階では、広告費用の無駄が発生しているかもしれません。アトリビューションによって、広告の貢献度がわかれば、効果の高い広告に集中させ、費用対効果アップを期待できます。
アトリビューションモデルに向かない商品・サービスも存在する
アトリビューションモデルは広告分析に効果的な考え方ですが、どのような商品・サービスにも当てはめられるとは限りません。
購入の検討に時間がかかる商品や高額な商品など広告に接する機会の多い商品はアトリビューションモデルに向いています。
一方で、検討に時間がかからない安価な商品やどこででも手に入る商品は、広告に触れる機会が少なく、アトリビューションモデルには不向きです。
7つのアトリビューションモデル
アトリビューションモデルには、以下のような5つのモデルがあります。
・ラストクリック
・ファーストクリック
・線形
・接点ベース
・減衰
モデルごとにどのような特徴があるのかご紹介していきます。
ラストクリック
ラストクリックモデルは、終点モデルとも言われています。ラストクリックという名前にあるように、ユーザーが最後に接点を持った広告に注目したモデルです。コンバージョンの直前の段階に100%の貢献度を持たせるので、何がコンバージョンに結びついたかが一目でわかります。
顧客の行動がコンバージョンに直結する段階を指標としているため、キャンペーンや顕在顧客への訴求などの広告効果を検証する際に効果的です。一方で、広告への接点が分散しやすい潜在顧客に対しては、あまり効果を期待できない手法といえるでしょう。
ファーストクリック
ファーストクリックモデルは、ラストクリックとは対照的に、最初に見た広告に100%の貢献度を持たせたモデルです。商品・サービスにどのようなきっかけで興味を持ったかが明らかになります。
顧客との最初の接点にどの広告が適しているのかを知ることによって、新規顧客の開拓に向けて広告戦略を立てることができます。
線形
線形モデルでは、複数の広告に均等に貢献度を割り当てて分析を行います。A、B、C、Dという4つの広告があったとして、ユーザーがコンバージョンに至るまでどの広告に接しているかがわかります。
どの広告が最初の接点になったのか、購入の決め手になったのかなど、広告の効果が相対的に現れるのが特徴です。これまでよりも顧客行動が複雑化しているので、効果的な接点を探るときに効果を発揮するでしょう。
接点ベース
接点ベースも、線形モデル・減衰モデル同様に、すべての広告に貢献度を割り振ります。線形モデルや減衰モデルの違いは、ユーザーと商品・サービスの接点であるファーストクリックとラストクリックに重点を置いていることです。
最初と最後の接点の広告効果がわかるので、コンバージョンに関わるスタートとゴールを同時に検証したいときに役立ちます。
減衰
減衰モデルは、線形モデルと同じく、すべての広告に貢献度を割り振りますが、貢献度の割合が異なります。ファーストクリックが最も割合が低く、ラストクリックが最も割合が高く設定するのが基本です。
コンバージョンに近い広告に重点を置いているので、どの広告がコンバージョンに有効かを他の広告効果を見ながら慎重に検討することができます。
Googleアナリティクス・Google広告で使用できるモデル
Googleアナリティクスではカスタムモデル、Google広告ではデータドリブンアトリビューションモデルをそれぞれ使用できます。
カスタムモデルは、上述した5つのモデルからいずれかのモデルを選択し、貢献度を各接点に自由に設定可能です。最適なモデルがないときにカスタマイズすることができます。
Google広告で使用できるデータドリブンアトリビューションモデルは、検索結果に応じて自動で貢献度が割り振られます。自動割り振りによって運用しやすいですが、利用するためには1ヶ月のクリック数やコンバージョン数の条件があるのが難点です。
アトリビューション分析の流れ
アトリビューションモデルを活用した分析手法のことをアトリビューション分析と言います。4つのステップに分けて、アトリビューション分析の流れを解説していきます。
【ステップ1】広告効果の仮説を立てる
すぐにアトリビューション分析に取り組むのではなく、広告効果の仮説を立てることが重要です。仮説に対して、ユーザーが想定通りに動きをすることもあれば、仮説とは異なる動きをする場合もあります。
アトリビューション分析後に、仮説をベースに分析データを活用することによって、より効果的なシナリオを作成することができるでしょう。
具体的な仮説として、以下のようなものが考えられます。
1.オウンドメディアのコンテンツの広告から商品・サービスを知る
2.バナー広告などでさらに接点を持ち興味を深める
3.他社の商品・サービスと比較検討する
4.商品・サービスのページにアクセスし、購入・利用を申し込む
取り扱う商品・サービスやアプローチ手法などによって異なるので、自社に合った仮説を立てましょう。
【ステップ2】実際の結果を計測する
仮説を立てたら、コンバージョンやインプレッションなどの数値分析に移ります。この時、先述したモデルの決定も行います。
ラストクリック、ファーストクリック、線形、減衰、接点ベースから最適なモデルを選択することで、より目的に合ったデータを抽出できるでしょう。
【ステップ3】効果測定を元に検証を行う
モデルに合わせてアトリビューション分析を行うと、広告ごとにコンバージョン率やインプレッション率などの成果が明らかになります。
明らかになった効果に一喜一憂するのではなく、丁寧に検証を行うことが大切です。仮説と比較するとどのような特徴があるのか、なぜそのような結果が出たのかなどを検証することによって、広告投資の改善に役立てることができます。
【ステップ4】検証結果を元に改善を図る
効果測定の結果に満足しないことと同様に、検証結果も検証したことで終わらずに、広告運用の改善に向けて行動を起こしましょう。
コンバージョン率やインプレッション率の高い広告の露出を増やしたり、効果の低い広告を削ったりすることによって、広告を効率的に運用できるでしょう。
ただ、改善をしたからといって、すぐに効果が出るとは限りません。検証は一度ではなく定期的に行い、その都度改善を繰り返し、状況に応じて検証・改善のサイクルを回していきましょう。
アトリビューション分析に活用できる測定ツール
アトリビューション分析を実施するためには、測定ツールを活用するのも方法のひとつです。主なツールを3つご紹介しますので、特徴を理解して利用を検討してみましょう。
AD EBiS
AD EBiSは、業界トップクラスのマーケティング効果測定プラットフォームです。マーケティング施策の関係性を可視化する計測機能やユーザーの傾向分析、集客からサイト内行動までの分析によって、コンバージョンに至るまでのユーザーの行動や成果が明らかになります。
外部サービスとの連携にも対応しており、計測データをECやアンケート、マーケティングオートメーション、SFAなどと連携し、マーケティングを活性化できるのが特徴です。マーケティング施策の管理も可能で、管理の工数削減やコンバージョンの重複の解消などに取り組むことができます。
運営会社 | 株式会社イルグルム |
機能 | ・マーケティング施策の統合管理 ・マーケティング施策の計測 ・ユーザーの傾向分析 ・集客からサイト内行動まで把握 ・外部サービス連携 ・インプレッション計測 ・カスタマージャーニー分析 ・データエクスポート ・LP最適化 ・アンケート |
料金 | 要問い合わせ |
ホームページURL |
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ADPLAN
ADPLANは、累計1500社以上の導入実績を持つ広告効果測定ツールです。アトリビューションモデル別の効果測定や広告と各種条件を組み合わせたクロス集計分析、特定セグメントのユーザーに対するリサーチなど、多角的な分析によって広告効果を可視化します。
ユーザビリティにこだわったインターフェースも特徴的です。直感的な操作によってパフォーマンス分析や管理が可能になるので、システムの運用に手間がかかることなく、効率よくアトリビューション分析や検証を実現します。
運営会社 | 株式会社イルグルム |
機能 | ・アトリビューションモデル別の評価指標を抽出 ・クロス集計分析 ・広告運用の一元管理 |
料金 | 要問い合わせ |
ホームページURL | https://www.adplan7.com/ |
WebAntenna
WebAntennaは広告効果測定ツールのひとつで、アトリビューション分析によって広告の成果貢献度を見える化することができます。複数の広告の成果を一元管理し、データがグラフにまとめられるので、管理の工数を減らしつつ、効果的な分析を実践可能です。
コンバージョンに至る過程で見えにくい広告効果を明らかにできるほか、カスタマージャーニーの分析にも対応しており、広告の接触過程を再検討するときに役立ちます。
運営会社 | 株式会社ビービット |
機能 | ・広告効果の一元管理 ・SEO、メール、SNS計測 ・ソーシャル広告の効果測定 ・アトリビューション分析 ・カスタマージャーニー分析 ・コンテンツマーケティング分析 ・スマホの効果測定 ・動画の効果測定 ・自社データベースとの自動連携 ・中間CV分析 ・複数代理店の管理 |
料金 | 初期費用:無料 月額料金:20,000円~(クリック数従量制) |
ホームページURL | https://www.bebit.co.jp/webantenna/ |
まとめ
アトリビューションモデルは、コンバージョンに至るまで広告効果を測定する際に役立つ手法です。
ラストクリック、ファーストクリック、線形、減衰、接点ベースという5つのモデルに加え、Googleアナリティクスのカスタムモデル、Google広告のデータドリブンアトリビューションモデルを活用することによって、アトリビューション分析の精度がアップします。
分析の手法やおすすめ測定ツールなどを参考にして、広告運用の改善のためにアトリビューションモデルを活用してみましょう。
・代表の経歴
大学卒業後、IT企業に入社し、飲食・小売店向けタブレット型POSレジのパッケージ・SaaSの提案営業、また、グループ会社にて、中小企業の経営者を対象に、自社開発CMS、BtoBビジネスマッチングサイトのアウトバウンド営業を担当させて頂きました。その後、IT企業に特化した人材紹介会社にて、外資系・日系IT企業を対象にエンジニア採用のコンサルティング営業を経験し、IT/WEB業界における無形商材の営業経験をいかして、2017年3月に株式会社カタセルを設立しました。
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