営業管理とは?SFAやエクセル等の無料ツールを使った方法など徹底解説

営業管理とは?SFAやエクセル等の無料ツールを使った方法など徹底解説

営業には、個人の営業スキル・接客スキルだけでなく、組織として営業力も不可欠です。営業目標の管理や進捗管理などの営業管理を適切に行うことで、ひとりひとりの営業マンの動きを最適化することができます。営業管理をする方法として、SFA(営業支援システム)やエクセルなどのツールがあります。

本記事では、営業管理とは何かとともに、SFAやエクセルといったツールを使った管理方法を解説していきます。組織の営業力を高めるため、営業管理に取り組んでみましょう。

営業管理とは

営業管理とは、営業に関わる目標やアクション、案件、モチベーションなどを管理することを言います。目標やアクションなどいくつかの項目で、営業活動を管理することで、営業パーソンそれぞれのパフォーマンスを上げることができます。具体的には、目標を管理することでモチベーションを維持してスキルアップに励んだり、アクションが適切だったのか分析し改善点を見つけたりするなどを期待できるでしょう。

営業管理によって、個々人の営業を管理し、それぞれのパフォーマンスを引き出せるので、組織の営業力が高まっていきます。誰が商談に行っても成約をとれる状態になれば、営業目標の達成に最短で近づくことができます。

営業管理を構成する5つの項目

営業管理を構成する項目には、顧客管理・目標管理・行動管理・案件管理・モチベーション管理の5項目があります。それぞれで管理する内容が違いますが、すべてを管理してはじめて営業管理です。何をどのように管理するのか詳しくご紹介していきます。

顧客管理

顧客あっての営業であるので、顧客情報をしっかり管理することが成約につながります。担当者名や役職、会社名、住所、問い合わせ先などの基本情報だけでなく、接触履歴や購入実績などの情報も一元管理する必要があります。

顧客のなかでも、自社の商品・サービスのニーズがある顧客や接触履歴の多い顧客などは、成約につなげやすい見込み顧客と言えるでしょう。顧客管理を参考に、ターゲットを絞った営業ができるので、営業活動の効率化に欠かせない管理項目です。

目標管理

目標管理では、売上目標を設定し、全体目標・個人目標の管理を行います。目標管理は、ギャップ管理とも言われ、現状と目標をどのように埋めるかが求められます。全体目標は、全員が目指す長期的な目標ですが、段階的な目標も設定・管理することで、達成しようと個人が努力しやすくなります。

月間で何件の成約をとる、1人あたり何円の営業成果をあげるなどの短期的な目標を立てましょう。明確な目標があると、どれくらい達成できたかから戦略を変更したり、個人のスキルアップに取り組んだりするなど、ギャップを埋めるための作戦を実行しやすいです。

案件管理

次に必要になるのが、案件管理です。多くの商談を抱える企業では、どの企業にいつ訪問するのかをしっかり管理する必要があります。案件管理はさらに詳しく案件をステータスで分けていきます。

訪問をいつするのかだけでなく、アポ取りがまだ未訪問、アポメール送信済といったように細かく進捗を管理します。他にも進捗について、攻略中・アプローチ中、クロージング予定などのステータスによって、進捗を細部まで管理可能です。

案件の状況がわかることは、案件の優先度を把握することもできます。どの案件に優先するかがわかり、適切なタイミングでのアプローチ、クロージングを実現します。

行動管理

行動管理では、営業パーソンひとりひとりの行動を把握します。案件ごとに、リードで電話・メールをした、プレゼンテーションで面談を行ったなど、段階に合わせて行動を記録していきます。アポ取りと成約の間が見えてくるので、営業マンそれぞれの長所や短所が見えてきます。なぜ成約をとれないのか、アプローチで離れてしまうのかといった課題が明確になります。

行動管理をもとに、営業スキルの向上を図ったり、弱いステップでフォローして信頼関係を強化したりすることができます。

モチベーション管理

モチベーション管理には、営業マンのモチベーションを維持し、営業の成約に向けてやる気を持って取り組めるようにする役割があります。営業は、アポがとれたか、成約がとれたかといった結果が見えやすい職種です。

アポイントが全然とれない、アプローチがうまくいかなくて成約がとれないなどの状況に陥ると、モチベーションが下がりやすくなります。部下に対して、フォローの声をかけたり、社内SNSで連絡をとったりして、営業マンのモチベーションを維持できるようなコミュニケーションが欠かせません。

営業管理がもたらすメリット

顧客管理や目標管理などといった目標管理をすることによって、良いメリットが多くあります。営業の見える化や効率化、情報共有など、営業力を高めるメリット満載です。3つのメリットを詳しくご紹介していきます。

営業を見える化できる

営業管理をすることによって、営業に関わる情報を見える化できます。見える化することによって、いつ誰がどのようなアクションを起こしたのか、どのような案件があるのかが一目でわかります。

成約につながらなかったアクションや優先すべき案件がわかるので、営業活動に対するフォローを行ったり、放置された案件の失注を防いだりするなど、営業を活性化できます。個人の改善点だけでなく、組織の営業力の強み・弱みも明確になり、営業力の底上げを実現できるでしょう。

営業を効率化できる

営業管理をせず個々人で動いている場合は、誰がどのようなスケジュールで動いているのか、必要な資料がどこにあるのかなどが把握できません。担当者が捕まらなかったり、資料を作り直したりする必要があり、営業の効率が下がってしまいます。

営業管理によって、案件や行動が管理されるので、必要な情報の検索・使用が楽になります。営業の無駄を省くことができ、効率的な営業に取り組むことができます。

営業ノウハウやスキルを共有できる

営業マンそれぞれで動いている場合は、すぐれた営業マンのノウハウやスキルを知る機会が少ないです。営業管理の行動管理では、営業マンの細かいアクションがわかります。

すぐれた営業マンのアクションももちろん見えるので、ノウハウやスキルの共有を可能にします。営業に課題を感じている営業マンや経験の浅い営業マンにとっては、貴重な情報となり、営業力強化につながります。

【営業管理の方法1】SFA(営業支援システム)

営業管理をする方法として、ツールの利用がおすすめです。そのひとつがSFAという営業支援システムです。SFAを導入するだけで簡単に営業管理が可能になるので、営業の見える化や効率化にすぐ取り組めます。SFAの特徴やメリット・デメリット、活用方法を紹介していきます。

SFAの特徴

SFAとは、Sales Force Automationの略称で、日本語で営業支援システムと呼ばれています。SFAには、案件管理機能や進捗・アクションなどを記録する商談管理機能、営業プロセス管理、予実管理機能などが備わっています。SFAひとつで営業に関わる情報を一元管理できるので、状況の把握、分析、共有がしやすいです。

SFAを営業管理に活用するメリット・デメリット

SFAには営業管理に最適な機能が備わっているので、メリットが多くあります。一方導入コストやシステム運用に慣れが必要といったデメリットも考えられます。メリットとデメリットをしっかり把握して導入を検討しましょう。

・メリット1:営業活動を可視化できる
SFAには、営業管理を一元的に管理できる機能が備わっています。目標や案件、行動、成果が記録・管理され、営業に関わる情報が可視化されます。これまでは、営業マン個人の管理だった部分が可視化されることによって、組織として営業活動を管理できるようになります。

チームとして営業目標に対してどの程度達成できたのか、営業活動の強み・弱みはどこにあるのかを把握できます。フォローや優先度の設定、戦略の変更に役立ち、より良い方向に営業の質をブラッシュアップできるでしょう。

・メリット2:営業戦略の立案に役立つ
目標への達成度や進捗状況を可視化することによって、より効果的な営業戦略を立てることができます。営業戦略とは、営業目標に対するプランのことです。売上目標や成約数目標などに対して、どのような作戦で達成するかを考えます。

数値やステータスなどから達成度と進捗状況が明確になるので、状況に合った営業戦略を立てられます。営業戦略が決まると、具体的な手段である営業戦術も決められるので、より効果的な手段で営業を活性化し、営業目標達成に近づけます。

・メリット3:情報共有で組織力を強化できる
SFAに蓄積されたデータは、メンバー全員で共有することができます。営業マン個人が持っているノウハウやスキルをアクションなどから知ることができ、悩みを抱えた営業マンや新人の参考になります。営業に使用した資料やデータも蓄積できるので、情報共有によって組織の営業力が強化されていきます。

・デメリット1:導入コストがかかる
SFAの導入には、コストがかかります。SFAの種類にもよりますが、月額料金が数千円から数万円かかるので、費用対効果の検証が必要です。営業管理で期待できる効果とコストを比べて、最適なSFAを導入する必要があります。

必要な機能が決まっている場合は、機能のカスタマイズやその機能だけのSFAを利用すれば、コストをおさえられます。解決したい課題を洗い出して、必要な機能をピックアップしましょう。

・デメリット2:使い慣れるまで時間がかかる
Excelなど使い慣れたツールとは使い方が異なるので、使い慣れるまでに時間がかかるでしょう。データの入力に時間がかかる、データの確認方法がわからないなど、かえって営業を効率を下げる可能性もあります。

すぐに使いこなすためには、使いやすさを重視したSFA選びが大切です。操作方法や画面レイアウトがシンプルなSFAだと、慣れるまでの時間も短く済むでしょう。

SFAの活用方法

SFAを効果的に活用するためには、データを何に使うかを明確にすることが大切です。SFAで効果を実感できなかった多くの企業では、SFAを導入することが目的になったり、入力して満足していたりする状況があります。「進捗を管理してフォロー体制を整えたい」といった目的を決めた上で、SFAを活用しましょう。

またあれもこれも管理しよう、とりあえずこの項目で管理しようといった管理の仕方もNGです。何のためにデータを管理しているのかがわかりにくくなり、入力に時間をとられて効率を下げます。管理する項目を絞ることで、効果的なデータの可視化、運用の手間の削減ができ、SFAによって営業を活性化させられます。

【営業管理の方法2】Excel

Excelを使っって営業管理をする方法もあります。Excelは営業管理以外の場面でも利用するので、誰でも利用しやすいのが特徴です。Excelを使った営業管理のメリット・デメリットや活用方法を説明していきます。

Excelを営業管理に使うメリット・デメリット

Excelを営業管理に使う場合のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。

・メリット1:誰にでも運用できる
Excelは、Officeソフトのなかでも、多くの方になじみのあるツールです。普段から表の作成や計算などに使うことが多く、誰でも簡単に使うことができます。操作方法も簡単なので、営業に関わる情報の把握や管理がしやすいです。

SFAは、システムそれぞれの使い方を覚える必要があり、使い慣れるまで時間がかかるでしょう。もちろん使いやすいSFAもありますが、知識やスキルに影響されず使いこなすには、Excelでの営業管理がおすすめです。

・メリット2:すぐに利用できる
多くのパソコンに、Officeソフトがインストールされているので、Excelも搭載されているでしょう。SFAのように導入を検討することなく、Excelはすぐに始められます。営業に課題があり、今すぐにでも営業管理に取り組みたいときに、Excelは便利な方法です。

・デメリット:更新の手間がかかる
SFAを使うと、営業管理に関する情報の蓄積を自動化することができます。一方Excelは、手入力で情報を入力しなくてはいけません。営業のアクションや進捗ごとにその都度入力する必要があるので、更新に手間がかかります。入力を後回しにして情報が更新されなかったり、結局浸透しなくなったりすることもあるでしょう。更新のルールをつくるなどで、必ず入力するように浸透させることが大切です。

Excelの活用方法

Excelを営業管理に活用する際は、まず顧客管理、目標管理、案件管理、行動管理それぞれのシートをつくります。シートごとに、記入する項目や数式などを入力するだけで簡単に営業管理を始められます。

顧客管理では、会社名や担当者名などの属性情報を項目にするとわかりやすいです。目標管理ならばひとりひとり目標値や達成率、案件管理・行動管理であれば案件名、行動内容、営業のステップなどの項目があると、Excelで営業管理しやすいです。

まとめ

営業管理には、顧客管理、目標管理、案件管理、行動管理、モチベーション管理の5項目があります。営業の見える化や効率化、情報共有を可能にし、営業マン個人の営業力を上げ、組織の営業力を底上げできます。営業管理の方法には、SFAやExcelが便利なので、ぜひ活用してみましょう。営業管理を始めて、営業力アップに取り組んでみてくださいね。

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