営業戦略って結局どれが正解?|戦略立案プロセスや戦術との違い事例5選

営業戦略って結局どれが正解?|戦略立案プロセスや戦術との違い事例5選

営業に関わる用語で、「営業戦略」「営業戦術」という2つの言葉があります。どちらも営業を成功させるために必要なものですが、何が「営業戦略」か「営業戦術」か混同しやすいです。どちらかをしっかり区別することで、効果的な営業戦略を立て、営業戦術で結果を出すことができるでしょう。

また営業戦略の立て方も、実際どうやればいいかわからない担当者がいるかもしれません。そこで本記事では、営業戦略と営業戦術の違いを5つの例で明らかにしていきます。営業プロセスの立て方も合わせてチェックしてみてください。

営業戦略・営業戦術とは何か

営業戦略と営業戦術の違いを紹介する前に、それぞれがどのようなものか見ていきましょう。まず営業戦略から説明していきます。

営業戦略とは

営業戦略とは、営業目標達成に向けたプランのことを言います。例えば、「年商1億円達成!」といった目標があるとします。年商1億円という目標を達成するための方法として、「新規顧客獲得に力を入れよう」「既存顧客のフォローを重点的に取り組もう」などプランを立てるでしょう。これが営業戦略で、目標達成に向けた方針を示す大切な作戦です。営業戦略のなかに、それを実行する営業戦術や組み立てる計画が含まれます。

営業戦術とは

営業戦術とは、営業戦略で立てた作戦を実現するための具体的な手法です。「新規顧客を増やして売上をアップしよう」という営業戦略に対して、「新規顧客でも購入しやすいプランをおすすめする」「お得な商品・サービス情報を広告に出す」「見込み顧客リストの精度を上げる」といった手段を、営業戦術と言います。営業戦略にもとづいて、営業戦術があるので、両者の関係性に注意して立案しましょう。

これって営業戦略?それとも営業戦術?

営業戦略と営業戦術それぞれを理解したところで、具体例で営業戦略と営業戦術の違いを見ていきましょう。具体例がどちらにあてあまるか考えながら見ていってくださいね。

「客単価を高めて売上をとる」

ひとつひとつの成約の単価を上げて売上をつくろうというのは、どのように売上をつくるかといった作戦なので営業戦略と言えます。客単価を高めるためにとる手段が営業戦術です。「ターゲットを富裕層に絞る」「価格の高い商品・サービスの販売に力を入れる」といった営業戦術の実践によって、客単価が上がり、業績アップなどの目標達成につながります。

「機能性を追及して差別化を図る」

こちらも目標に対するプランになっているので、営業戦略です。価格競争になりがちな商品・サービスにおいて、低価格で争うのではなく、機能性を追及することで、競合他社との差別化になるでしょう。機能性を追及するためにどうするのかが営業戦術ですね。

機能性の追及で差別化を実現した例にユニクロがあります。商品のデザインや独自性、価格などで勝負するのではなく、機能性にフォーカスし、ブランディングに成功しました。暖かさが魅力のヒートテックや夏場のインナーに最適なエアリズムなど、機能性を追及した製品づくりを行っています。ユニクロの例では、機能性を追及した製品づくりが営業戦術と言えます。

「低価格戦略で顧客を囲い込む」

商品・サービスによっては、低価格を推して顧客を取り込む場合もあります。もうお分かりかと思いますが、目標達成のためのプランで具体的な手段ではないので、これも営業戦略ですね。

どのように低価格戦略を実践していくかが営業戦術となり、「価格を大幅に値下げする」「割引プランを提供する」「激安情報をチラシやメルマガで宣伝する」などが主な例です。全体的なプランなのか、具体的な手段かに注目すれば、営業戦略か営業戦術かどうかわかりやすくなります。

「コラボやキャンペーンで顧客を獲得する」

コラボレーションやキャンペーンは具体的な手段なので、営業戦術と言えます。キャラクターや他社とのコラボレーションで、自社以外のファンを取り込んだり、キャンペーンをきっかけに利用者を誘引したりすることで、効率よく顧客を獲得できます。

コラボやキャンペーンを何のためにするのかが営業戦略です。「新規顧客獲得に力を入れる」「見込み顧客を成約につなげる」といった営業戦略が考えられるでしょう。

「テレアポ・電話営業を強化する」

新規顧客獲得や見込み顧客の取り込みなどのために、「テレアポ・電話営業を強化する」ので、プランを実現するための営業戦術です。テレアポ・電話営業について、営業人材の教育をしたり、プロセスの管理システムを導入したりすることで、質が向上し、アポ率が上がるでしょう。アポが成約につながれば、営業目標の達成を実現できます。

戦略立案プロセスをステップごとに解説

営業目標を達成するためのプランを営業戦略、営業戦略を実現する手法を営業戦術であることを踏まえて、戦略立案プロセスを説明していきます。立案プロセスは大きく分けて、目的・目標設定、営業戦略の作成、営業戦術の作成、検証といった4つのステップになります。それぞれのステップをどのように行うのか詳しく見ていきましょう。

1.目的・目標設定

営業戦略や営業戦術は、業績を上げる、売上を立てるといった目標に向かって作成するものです。営業目標がなければ、何のための営業戦略か、なぜその営業戦術を採用するのかがわからなくなり、十分な成果をあげることは難しくなるでしょう。

戦略立案プロセスでは、まず目的・目標を設定する必要があります。目的・目標が決まることで、どのように達成するのかを考えやすくなり、営業戦略・営業戦術の作成がしやすくなります。

目的・目標を設定する際に、「売上を立てる」ではあいまいで方向性を決められないので、具体的な目的・目標を考えましょう。具体的な目的・目標設定に盛り込みたいのは、数値目標です。売上額や粗利率、顧客人数、成約率などに対して、半年で達成する、今期で実現するといったように設定します。いつまでに何をどの程度かが明確になるので、企業が進むべき道筋が見えてきます。

2.営業戦略の立案

目的・目標を踏まえて、営業戦略を立てていきましょう。目標を達成するための営業戦略には、根拠が必要です。そこでまず自社を取り巻く状況を把握します。自社製品の市場がどのようになっているかを把握するために、競合他社の状況や自社の立ち位置、業界・業種の状況をリサーチしましょう。状況理解がおろそかになっていると、戦略が通用しないこともあるので、リサーチの質も重要です。

自社の立ち位置については、さらに深掘りしていきます。立ち位置を把握することで、自社の強みが明確になります。強みを活かした営業戦略を立てることができれば、商品・サービスを効率よく売り込める可能性が高まります。

最後に自社の営業課題を具体的にピックアップしましょう。アポ率が悪い、アポイントがとれても成約につながらないなど、営業プロセスごとに課題が出てくるはずです。目標達成をするためには、課題を解決する必要があります。課題を踏まえつつ、営業戦略を立てることで、効果的な手段で目標達成に近づけるでしょう。

3.営業戦術の作成

営業戦略が決まったら、戦略をどのような手段で実践するのか、営業戦術を立てていきます。営業戦術を構成する要素は、「何をやるのか」「誰がやるのか」「どうなったら達成か」の3つです。

まず「何をやるのか」ですが、営業戦略を達成するための手段を考えます。主な手段を以下のようなものがあります。
・テレアポ、電話営業
・広告チラシ
・ダイレクトメール
・ホームページ
・SNS
・展示会
・セミナー
新規顧客を獲得するためのテレアポや商品・サービスを提案するチラシ・ダイレクトメールなど目的に合わせて手段を選ばなくてはいけません。手段を間違うと戦術の効果が弱くなってしまうので、営業戦略に合った手段を十分に検討して選びましょう。

次に「誰がやるのか」を考えます。例えば、展示会で新規顧客を獲得しようとしても、やる人がいなければ営業戦術を実践することができません。誰が担当するのかまでしっかりと決めます。担当者は社内の人間だけでなく、外部委託やシステムの活用なども選択肢のひとつです。幅広い視野で「誰がやるのか」を考えることで、選べる手段の選択肢が広がるでしょう。

営業戦術を期限・基準がないままやりっぱなしになると、成果がでたのかわからず、目標達成に向けて取り組みにくいです。「どうなったら達成か」を測る指標をKPIと言い、KPIを設定することで達成度がわかり、戦術の効果や目標の達成度がわかります。営業における主なKPI指標には、受注数や成約数、顧客満足度、商談数などが挙げられます。注意点として、KPI指標の設定を誤ると適切な計測ができません。営業目標・営業戦略に合ったKPI指標を設定して、適切な営業戦術を設定・実行しましょう。

4.結果を検証する

営業戦略・営業戦術は実行して終わりではありません。成果がでたときも、思うような結果が出なかったときも検証が必要です。特に結果が出なかったとき、途中で結果が出そうにないことがわかったときは、改善点をしっかり発見しなくてはいけません。改善点を参考に、営業戦略の立て直しや営業戦術の練り直しが必要になるでしょう。

戦略・戦術を立て直し実行したら、さらに結果を検証し、PDCAサイクルを回すことが営業目標の実現に欠かせません。

営業戦略立案に活用したいフレームワーク

フレームワークとは、ビジネスの構造を図式化するための枠組みのことを言います。条件や状況をフレームワークに当てはめることで、情報を整理できます。営業戦略を立案する際に、フレームワークを活用すると、自社の状況や課題が明確になります。数あるフレームワークのなかからぜひ活用したいものを選んだので、ぜひ確認してみてください。

3C分析

3C分析の3Cとは、Customer(顧客)・Company(自社)・Competitor(競合)を表しています。3者の状況や要因を整理することができます。どんな顧客がターゲットか、自社の強み・弱みは何か、競合他社のシェアはどれくらいかなどを、フレームワークで整理していきます。

自社の内部環境と他社の外部環境がわかるだけでなく、顧客のニーズ分析も可能です。自社製品の強みがどの顧客に響くのかなどを分析することで、効果的な戦略・戦術立案につながります。

SWOT分析

SWOT分析とは、内部環境としてStrength(強み)・Weakness(弱み)、外部環境としてOpportunity(機会)・Threat(脅威)の4つの要素で現状を分析する方法です。内部環境では、自社の強み・弱みがわかり、何を押し出せば良いか、何を改善すべきかがわかります。

外部環境には、自社製品が買われる機会や社内の現状・社会の変化などの脅威が当てはまります。脅威が多くあるならば、脅威を取り除くために何が必要かを考える必要がありいますね。機会が多く思いつくと、自社製品に可能性があると言えるでしょう。

PEST分析

PEST分析は、企業が置かれている状況を整理できる方法です。Politics(政治的要因)・Economy(経済的要因)・Society(社会的要因)・Technology(技術的要因)の観点から外部要因を割り出します。

どのような要因に影響を受けているのかがわかり、企業の将来性や参入のチャンスを見極めることができます。企業の現状と合わせて、社会のトレンドも把握できるので、ニーズに合った営業戦略の立案に役立ちます。

AIDMA

AIDMAとは、Attention(注意)・interest(興味・関心)・Desire(欲求)・Memory(記憶)・Action(行動)の5つで顧客の購買心理を分析する手法です。どうすれば商品をしってもらえるか、買いたいと思ってもらえるかを分析できるので、営業戦術を考えるときに活用できます。

AISAS

AISASは、AIDMAと同じく、顧客の購買心理を分析する手法ですが、分析する要素に違いがあります。Attention(注意)・interest(興味・関心)までは同じで、Search(検索)・Action(行動)・Share(シェア)となっていて、後半のプロセスが変化しています。

インターネットでの購買を想定した分析で、現代の消費者に近い要素で構成されています。営業戦術にホームページや広告、SNSを検討する際に、AISASの観点で戦術が適切かどうか検討してみましょう。

コア・コンピタンス分析

コア・コンピタンス分析とは、自社の強みを競合他社と比較し、自社だけのストロングポイントを見つけ出す分析です。強みをいくつかピックアップして、それぞれ他社と比較していきます。目標値を設定すると、数値で強みの度合いや達成度がわかるので、比較材料に取り入れてみましょう。

PRM

PRMでは、市場での成長率を縦軸に、市場でのシェアを横軸にして、力を入れるべきポイントをあぶりだすフレームワークです。Question Mark(問題児)・DOG(負け犬)・STAR(花形)・CASH COW(カネのなる木)それぞれに当てはまる状況や課題を入れていくと、ポイントが現れます。市場における自社の立ち位置を測るために効果的です。

まとめ

営業戦略は、営業目標を達成するためのプランで、営業戦術は具体的な手法を指します。戦略立案プロセスでは、営業目標を立てた後、目標に基づいた営業戦略を立案し、営業戦術で実践していきます。実践した後は必ず検証を行い、営業戦略をブラッシュアップする必要があります。営業戦略の立案では、フレームワークを活用するのも方法です。営業戦略と営業戦術の違いを踏まえつつ、営業目標を達成できる戦略を立案しましょう。

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