今更聞けない「ブランディング」の基礎知識から、気になるブランド戦略実例までを徹底解説!

世の中に情報が溢れている現代に置いて、ブランディングという言葉の持つ意味や、その重要性は日々大きくなっているのではないでしょうか。単純に、企業への共感や信頼という言葉のひとつというよりももっと違った意味で使われている事も増えていそうです。
今回は「ブランディングをこれから行おう!でも何からしよう?」というマーケティング戦略にお悩みの方や、「そもそもブランディングってなんのことだっけ?」という疑問をお持ちの方に今更聞けない、ブランディングの基礎知識から事例までをご紹介していきます。
Contents
ブランディングとは

スティーブ・ジョブズが「ブランド」を嫌っていたという話もよく聞かれる話ですが、そもそも「ブランド」とは一般的に何を指しているのでしょう。そもそもの「ブランド」という言葉の意味から考えていきましょう。ブランドとは、もとは所有者を示すために家畜に押した焼き印のことでした。そこから意味が派生し、特定の企業が生産している商品や格式のあるメーカーの物販品を指す言葉へと変わっていきました。
上記のように「人の心」ありきの「ブランド」という概念は非常に伝えることが難しく、誤解を恐れずに言うのならば「ブランドは人の心の中にある」とも言えるのです。企業がいかに「この商品は最高!」「このサービスの価値を認めて!」と訴えても、世間や消費者が認めなければブランドとは言えないのです。
そしてブランディングとは、このブランドを構築していくために組織やチームで中長期的に取り組んでいくこと全般を呼びます。ブランドの特徴やストロングポイントを明確にし、対象者に伝えていくことで関心を高めたり、購買を促進するなどの狙いがあります。ブランドは企業と消費者との信頼関係がなくては成り立たない概念ですので、その関係を維持していくためにもブランディングという作業が常に企業側には必要とされているのです。最近では、企業だけでなく個人をブランディングしていくセルフプロデュースという言葉も幅広く聞かれるようになりました。
ブランドやブランディングが持つ役割について

実態のわかりにくい「ブランド」ですが、ブランドとして認知をされる事や、ブランディングが上手く機能していくとどのようなメリットが生まれてくるのでしょうか。また、どんな役割がブランドには求められているのでしょうか。
ユーザーにとってのブランド
決して高級品だけが「ブランド」ではありません。ユーザーにとってブランドが、どのような意味を持つのかを次のように分けてみましょう。
1.品質への信頼や保証
購買する際にはブランドを確認してから購入するという人も多いのではないでしょうか。初めて見る企業の商品よりも、以前購入したことがある物や、メディアで目にしたことがある物を選ぶ傾向が強いと言えるでしょう。
2.識別が簡単になる
コーヒーを飲みにいくことも、「スタバに行く」、「ドトールに行く」と言った風にブランドを確立することで識別をすることができるようになります。こうなると購買までの判断はコーヒーを買いたいというステージをスキップして、特定のブランドを購入することになります。
企業にとってのブランド
企業にとってブランドを確立する事とは具体的にどんなことを言うのでしょうか。以下のように3つにまとめてみました。
1.競合との明確な差別化
どうしても競合との争いは発生してしまいますから、その中でユーザーや消費者からある一定の評価を受け、「このブランドはこうである」という認識を得られていることは重要です。
2.継続的な購入の促進
信頼があるからこそ、そのブランドを使用し続けてくれるユーザーが生まれます。当然ながら、継続的な購入やサービスの利用は売り上げ確保という現実的な課題もクリアしてくれます。
3.価格設定においての優位性
不必要な価格競争に巻き込まれずに、プレミアムな価格をつけても購入者が減らない強さも手に入れることが可能です。
ブランディングで企業が得られるもの

ブランディングを始めると企業が得られる成果は想像以上に多岐にわたります。ここからは現代の企業活動においてブランディングを行うことで得られるメリットをご紹介します。
組織力の向上が見込める
企業においてのブランディングが社内やチーム内で統一されていくことは存在意義や、目的意識が明確になる効果を生みます。そのため、全体としての組織力の向上が見込めるでしょう。会社の社訓や、社長挨拶も当然大切な会社を表すものの一つですが、社員全員に根付いている「ブランド」への考え方はより強固なモチベーションをなるのではないでしょうか。
マーケティング戦略の太い軸を入手できる
マーケティング戦略はどの企業も頭を抱える難題のひとつと言えるでしょう。このマーケティングにおいてもブランディングへの考え方が固まっている事が大きな意味を持ちます。ブランドがまずはチーム内で浸透することで、「この商品はこういう風に見られている」というイメージが出来上がります。
それは当然、消費者の側からも魅力や特徴として捉えられます。この考え方や思想に共感してくれた人達はユーザーとなってくれるでしょう。昨今のマーケティングでは共感や共犯なんて言葉も使われるようになりましたが、まさに一緒にこのブランドとしての価値を作り上げていくような作業自体にも価値が生まれてきているのが今の時代と言えるでしょう。
資金調達の際にも便利なブランディング
これからブランディングを行おうとする企業の中には資金調達を考えているようなフェーズの企業も数多くあるでしょう。また資金を既に借りている場合に追加での融資をひっぱり出さなくては行けない状況もあり得ます。銀行や投資家達は現在の経営状況は当然の事として将来性を十分に加味して出資を決めて行きます。クラウドファンディングなどはその側面が非常に強く出る資金調達の方法と言えます。
ブランディングを戦略として実施するには

ブランディングを行うためだけに特殊な方法が確立されているわけではありませんし、今後もそういったものが出て来ることはないのではないでしょうか。ブランディングを行なっていく時に具体的に発生する業務は以下のように、一連の流れとなっている事が多いようです。
- 広告宣伝や販促
- PR活動
- 顧客とのコミュニケーション
マーケティングにおける基本となる考え方の土台に「ブランド」としての価値をしっかりと共有しておく事でその全ての活動がブランディングと呼ばれるものになっていくのです。世の中にはもう既にありとあらゆるブランドが存在していますから、自分達のブランドが目指す所を明確にし、伝えていけるような設計が重要です。極端に言えば「セレブ用の時計」を「激安です!」とブランディングしないという事です。
WEBマーケティングにおけるブランディングとは
ブランディングはWEBマーケティングを活用する事で、今までよりもスピード感を持って進める事ができるようになっています。WEBサイトはブランドの全てを表現できる最高のスペースですし、活用するSNSの種類によって自社のブランディングを成功させる事も可能です。前述の通り、ブランディングのためだけに何か特別な事をする必要はなく、あくまでもWEBマーケティングをする際の前提として意識をしておく事が必要なのです。
Instagramを活用するのか、Twitterを使うのか、ユーザーとのコミュニケーションをWEB上でとるのかとらないのか、様々な選択肢が生まれてきた時にいつも立ち返って「ブランド」の事を思い出してみると良いのではないでしょうか。
気になるブランド戦略の事例5選

ここからは、具体的な企業のブランド戦略を見ていきましょう。
Apple(アップル)の事例
言わずと知れたApple(アップル)社のブランディングはまさに世界を代表する成功事例と言えるでしょう。この記事にたどり着いているあなたはきっとApple(アップル)を知っているのではないだろうか。ブランドの展開が見事で、その思想やプロダクトのあり方は常に注目されています。スマホなら「iphone」、音楽を聴くなら「itunes」、仕事は「mac book」とあらゆる場面でアップル社の製品は使用され、そして新しい製品を出せば、購入するための列が出来るのです。このように一度、ブランドを確立してしまえば、横展開や縦展開が可能になります。消費者はブランドを信頼し、大きな期待を持つ状態になります。そうなってしまえば、どんな市場でも非常に参加がしやすい状況と言えるでしょう。
UNIQLO(ユニクロ)の事例
ファーストリテーリング社と言っても、ピンと来ない方も多いかもしれない。それほどまでにユニクロというブランドは成功を収めたと言えるのではないでしょうか。1998年からスタートしているユニクロは、時代に合わせてブランドのイメージを上手に変化させながら、大きくなり続けているブランドでしょう。
「安くて、ちょっとダサい」というようなブランドイメージが当初はあったユニクロも今では、様々な企業とのコラボレーションにより、「安いし、おしゃれ」という所まで少しずつイメージが変わってきているのではないでしょうか。長期的なブランド戦略を得意とするユニクロは今後も時代に合わせてブランディングを常に行っていくでしょうから、目が離せません。
タニタの事例
ここ数年で「タニタ」の名前を目にする事が増えてきた方も多いのではないでしょうか。明らかに企業ブランディングがうまく行っている雰囲気を感じるのがこの会社です。少し前までは非常に地味な印象のある企業で、体重計や体温計などを扱う会社という以上の印象はあまり持たれていませんでした。
そこで、「タニタ食堂」や「タニタのレシピ」などのコンテンツを猛烈に打ち出し、「人々の健康をつくりだす企業」として、リブランディングを図って成功しました。今ではコンビニでのコラボ商品なども非常に多く流通していますし、「タニタなら健康的」、「タニタなら安心」という一定の信頼を勝ち得たと言えるのではないでしょうか。
レッドブルの事例
エナジードリンクといえば、レッドブルと回答する人も多いのではないでしょうか。この企業は比較的若い企業ではあるが、見事にブランディングを成功させています。そもそもこういった栄養ドリンクは日本国内においては、「リポビタンD」や「オロナミンC」の持つイメージが強烈に強かった市場です。
そこに対して、レッドブルは「冒険者を称え、翼をさずける」というキーワードと共に、単なる飲料としてではなく、同時にエキサイティングな体験やスリルを想起させるような戦略をとっていったのです。こうする事で、スポーツイベントなどのスポンサーなどを積極的に行いながら、独自のポジショニングを築き、金額的にもプレミアムな価格での販売を成立させています。
スターバックスの事例
スターバックスといえば、コーヒーショップのイメージが強いかもしれませんが、実はそのロゴにはコーヒーの文字が今ありません。実はcoffeeの文字は途中でブランディングの一環として消えているのです。ただコーヒーを提供するのが仕事ではなく、その場の空気や人が重要であるというブランディングから今のようなスタイルが生まれています。
スターバックスは広告宣伝などを行わない事でも有名ですが、確かにCMやPRを見たことがある人は少ないのではないでしょうか。独自のブランドアイデンティティをスターバックス社の全員が理解しているからこそ、このような展開が可能になったのでしょう。
ブランディングの今後の動き

ブランディングという言葉を聞くと、身構えてしまうかもしれませんが、実は特別な作業は必要ではないという事がお分かりいただけたでしょうか。「自分の夢を日記に書くこと」も、「SNSで自撮りを上げ続ける事」も全てがセルフブランディングの一例と言えます。
企業にとっては、社員を教育することや、チームの目的を明確にしてあげる事が全てブランディングに含まれています。沢山のブランドが世の中にある時代ですから、その中で消費者の人やユーザーに見つけてもらい、継続的に使ってもらうためには共感や共鳴、共犯といったキーワードがより重要な時代になってくるでしょう。

・代表の経歴
大学卒業後、IT企業に入社し、飲食・小売店向けタブレット型POSレジのパッケージ・SaaSの提案営業、また、グループ会社にて、中小企業の経営者を対象に、自社開発CMS、BtoBビジネスマッチングサイトのアウトバウンド営業を担当させて頂きました。その後、IT企業に特化した人材紹介会社にて、外資系・日系IT企業を対象にエンジニア採用のコンサルティング営業を経験し、IT/WEB業界における無形商材の営業経験をいかして、2017年3月に株式会社カタセルを設立しました。
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