受注率を上げるための秘訣は?機能ではなく利益(ベネフィット)を売ろう

受注率を上げるための秘訣は?機能ではなく利益(ベネフィット)を売ろう

営業実績を上げるために避けられない指標が受注率です。どれだけ受注につながっているかを示す指標で、受注率が高いか低いかが企業の業績に直結します。営業を受注につなげるためには、商材の魅力を伝える必要がありますが、機能中心の提案だと売るのは難しいでしょう。

本記事では、営業における受注率を上げるための方法として、機能ではなくベネフィットを売るべき理由を詳しく解説します。受注率と継続率の関係性も解説するので、ぜひ参考にしてみましょう。

ベネフィットとメリットの違い

まずは、ベネフィットとメリットの違いをおさえましょう。ベネフィットには「利益」、メリットには「利点」といった意味があります。大きな違いは、主語の違いであり、ベネフィットは顧客にとっての利益、メリットは商材の利点と表現できます。

商材の特徴や機能はメリットであり、自社目線で商材を語ることになります。一方、ベネフィットは顧客が得る利益のことで、メリットがどのような効果をもたらすかを伝えるので、顧客が課題解決のために求める利益をアピール可能です。商材によっては、メリットが競合と似通う場合もあり、差別化が必要になります。自社だけがもたらせるベネフィットは差別化の材料になるので、営業においてベネフィットの提案は欠かせません。

多くの企業が「機能売り」をしている

営業代行会社の立場から、企業の営業資料を見ると、感覚的に5社のうち1社が「機能売り」をしているそうです。「機能売り」とは、商品・サービスの機能やメリットを押し出す売り方で、「課題や悩みに対して、こういう機能があります」といったような営業資料をつくっています。

一見、「こういう機能があります。どうですか?」と機能を伝えると、「便利な機能だ」「最新の機能だ」といったように、買ってもらえると思いがちです。実際はそうではなく、顧客は機能そのもので見ているのではなく、機能によってどう変わるかを見ているので、ニーズに響かず、売ることは難しいでしょう。

もちろん機能の良さに顧客が感動して売れる事例もあります。ただ、その場合顧客のニーズが顕在化していて、自ら機能から導入後をイメージしていると考えられます。ニーズがはっきりしていない顧客も多いので、受注率を上げるためには機能売りではなく、機能がどのようなベネフィットを与えるかを伝える必要があります。

受注率を上げるためにベネフィットを売るべき理由

顧客が抱える課題や悩みに響く提案をするためには、機能ではなくベネフィットを売る必要があり、受注率アップにつながります。

顧客にとってのベネフィットを提案すると、導入後のイメージを膨らませることができます。例えば、オフィス向けの観葉植物の営業しているとします。「観葉植物を設置することで精神的に落ち着けて生産性が上がります」「水やりをきっかけに、社員同士のコミュニケーションが活性化しますよ」といった効果を伝えることで、導入してからどういう変化があるか想像させ、必要感をアピールできます。

一方で、「この観葉植物はとても珍しくなかなか手に入らないものです」「手入れが楽で長持ちします」のような機能売りは、どのような商材かしか伝わりません。なぜ観葉植物を置くべきかにフォーカスされておらず、必要感を感じずコストやタイミングなどの要因で断られてしまうでしょう。

ベネフィットを伝えることは、導入後のイメージが膨らむとともに、課題解決を考えてくれることに期待感も高まります。好印象を与えられるので、受注率アップできるでしょう。

ベネフィットを的確に売るためには

ベネフィットを売るといっても、顧客にとってのベネフィットを提案できなければ、受注につなげられません。ベネフィットを的確に売るための方法を3つご紹介するので、ぜひ実践してみましょう。

ヒアリングで課題を明確にする

ベネフィットを売る際、課題に響くかどうかが重要です。ベネフィットを想定して提案したとしても、課題とずれていると導入しても変化は見られないと思われてしまいます。観葉植物の例であれば、顧客が「コミュニケーションを活性化したい」と思っているのに対して、「生産性が上がります」と提案しても響きにくいでしょう。

そこで大切にしたいのは、課題を明確にするヒアリングです。現状や課題、将来の展望などを詳しくヒアリングすることで、何をどう解決したいかが見えてきます。課題を把握・整理することによって、商材がもたらすベネフィットを的確に伝えられ、受注につながる可能性が高まります。

顧客に響くベネフィットを見つける方法として、FABの法則があります。Feature(機能・特徴)、Advantage(効果)、Benefit(利益)の頭文字をとった法則です。まず商材の機能・特徴を挙げ、どのような利点があるかを把握します。その結果得られる効果が顧客のベネフィットにつながります。

具体的には、「〇〇という機能によって△△という利点がある。その結果◇◇という効果を得られ、✖✖という利益をもたらす」といったように当てはめると、顧客が求めるベネフィットを見つけられるでしょう。

ランディングページにベネフィットを記載する

顧客のアクションを促す手法のひとつに、ランディングページがあります。ランディングページとは、商品・サービスの紹介やイベントの告知などを掲載したWebページで、ホームページへのアクセスや資料請求、イベントの参加予約などを促し、顧客の獲得を目指します。

情報量が多いページであり、商品・サービスの機能やメリットをメインに掲載しがちです。機能やメリットも重要ですが、ランディングページにもベネフィットを記載する方が良いと言います。課題解決ソリューションを記載することで、ページを見るだけで導入後をイメージでき、営業資料としても活用可能です。

ベネフィットトークに力を入れる

ヒアリングによって掘り起こした課題にマッチしたベネフィットを提案するためには、トークも重要です。ベネフィットを伝えるトークをベネフィットトークと言い、いくつかのポイントがあります。まず意識したいのが、伝えたいことをシンプルに提案することです。端的に伝えることで、企業にもたらすベネフィットを想像しやすくなり、受注に近づいていきます。

次に、気をつけたいポイントがリスクも伝えることです。ベネフィットを伝えるとき、ついベネフィットのみを押し出しがちですが、質が高い分コストもかかるなど、いくつかのリスク・デメリットもあるでしょう。リスク・デメリットも隠さず伝えると、顧客にとって検討材料になり、信頼感を得られます。リスクがネックになるならば、フォローを忘れずにすることによって、受注・継続につなげましょう。

最後のポイントとして、顧客を取り巻く市場のリサーチも欠かせません。ベネフィットと合わせて、市場情報や競合情報などのデータがあると、より顧客にマッチした提案を行えるようになります。

受注率と継続率の関係性もおさえておこう

営業において、受注率の高さと合わせて、継続率も重要な指標です。受注率が高い商材だからといって、必ずしも継続率が高くなるとは限りません。受注率が高く契約者が多くても、課題が払拭されていなければ、商材を解約され、十分な売上を回収できないおそれがあります。

受注率は見逃せない指標であり、こだわりがちになる指標でしょう。受注率にこだわりすぎると継続率に目が向かなくなってしまいます。受注率を求めた上で、的確なヒアリングやフォローなどに力を入れ、課題を払拭し、継続率という観点も意識しましょう。

まとめ

営業における受注率を上げるためには、商材・サービスの機能ではなく、ベネフィットを売ることが大切です。機能やメリットが顧客にどのようなベネフィットをもたらすかを提案することで、導入後の期待感やイメージが膨らみ、必要感を感じさせ受注につながりやすくなります。注意点として、ベネフィットが響くように、課題を引き出すヒアリングが欠かせません。受注率と継続率の関係性も参考にして、ベネフィットを売り、受注率アップを目指しましょう。

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