手紙を使った営業ではどのようにアポに至るのか?流れやメリット・デメリットもご紹介
営業手法といえば、テレアポやメールアプローチなどを思い浮かべる営業マンが多いでしょう。営業手法のなかでも一見アナログな手法ですが、効果的なのが手紙です。一般的に取り組まれている手法とは違う印象を与えられますが、どのようにアポにつながるのかイメージしにくい方もいるでしょう。
そこで本記事では、手紙を使った営業について、どのような流れでアポに至るのかご紹介します。手紙営業のメリット・デメリットもご紹介するので、導入の検討に役立ててみましょう。
手紙で行う営業手法とは
営業手法には、多くの企業が採用しているテレアポやメールアプローチ、フォームアプローチといったアウトバウンド営業、コンテンツマーケティングやホームページからの流入、メールマガジンなどを活用したインバウンド営業があります。SNSを活用して営業を行う場合もあり、デジタルなコミュニケーションツールが活用されています。
一方で、手紙はアナログなコミュニケーションツールであり、書くために時間や手間がかかるなど、デメリットに目が向くでしょう。しかし営業において手紙は、デジタル手段が一般的だからこそ、気持ちを伝えることができる手法です。
手紙が効果的なアプローチにつながる理由には、テクノロジーの発達も関わりがあります。テクノロジーを活用した商品・サービスが増え、テレアポなどの手法では上手く魅力を伝えきれないこともあるでしょう。手紙であれば、文面でまとめて伝えられるので、商材のアピールという面でも効果的です。
手紙で営業した場合のアポにつながる流れ
テレアポなどの手法が一般的なので、手紙で営業した場合の流れがイメージできないかもしれません。手紙営業がアポにつながる5つのパターンを伺ったので、それぞれどのような流れか理解していきましょう。
フォローコールする前に連絡がくる場合
手紙営業は、手紙を送って連絡を待つのではなく、フォローの電話をするのが最適な方法です。フォローコールで反応があり、アポにつながる場合が多いですが、フォローコールをする前に連絡がくる場合もあります。折り返し電話やメールなどで接触があり、そのままアポにつながるという流れです。
フォローコールの手間がなく、手紙で気持ちが伝わっているのは確かですが、稀なケースと捉えましょう。コールなしだと手紙に気づいてもらえなかったり、気づいたものの反応がなかったりするなど、機会損失につながるリスクが高いです。手紙とフォローコールはセットで行いましょう。
フォローコールして本人と話せる場合
手紙を送った後フォローコールを行い、本人が電話に出たり、つないでもらったりした場合は、多くのケースでアポにつながります。本人が手紙を読んでくれているからこそ、対応してくれるのであり、熱意や商材の良さが伝わり、関係が生まれます。
手紙と似た手法として、メールやフォームから問い合わせでも良いのではと感じる方もいるでしょう。メールやフォームは多くの企業が採用している手法であるだけでなく、大規模な企業の場合社長や副社長などの重要人物が日々チェックしているとは考えにくいです。ニーズのあるメールであっても、上手く伝わらずに機会損失を起こすでしょう。
一方、手紙は決裁者に直接送ることができます。手元に直接届いたり、部署から引き継がれたりするなど、伝達されやすい特徴があります。フォローコールもしっかり行えば、より確実に目を通してもらえるはずです。
フォローコールして秘書と話せる場合
大手企業の場合、決裁者に手紙を送りフォローコールをしたところ、秘書が対応することが多いです。本人と直接話せる場合との違いとして、秘書をワンクッション挟みます。秘書は決裁者の意向を伝えるように指示されていることが多く、本人と話すパターンと大きな違いはありません。
決裁者が既に確認していてアポが決定しているときは、秘書が代わりに日程調整を行うパターンになり、アポが決定します。秘書が出たからといって、こちらの希望が伝わらない、アポイントの質が下がるわけではありません。
フォローコールして折り返し連絡で話せる場合
手紙の後のフォローコールで話をできない場合もあります。興味を持ってもらえたときは、送り主や担当から折り返し連絡がくるパターンが多いです。他のパターンに比べると、接触にタイムラグがあるものの、話すことはできるので、話がまとまればアポにつながります。
ここで注意したいのは、折り返し連絡ができるように動線を確保することです。連絡先として、電話番号やメールアドレス、担当などをしっかり記載し、折り返しを受けられる体制を整えましょう。また、折り返し連絡がきたときに、周りが手紙の件とわかるような周知も必要です。受付を設置しているなら、受付の担当者にもすぐ対応できるように情報共有しておきましょう。
フォローコールで担当者を案内される場合
手紙を送った本人が担当者ではないこともあります。その場合、フォローコールを行ったときに担当者に案内されるパターンが多いです。手紙を既に共有してもらっている場合もあれば、担当に共有して折り返しますという場合もあります。重要人物から担当者を紹介してもらえれば、アポイントにつながる可能性が高いです。
そのため、社長や役員につながらなくてもアポにつながる場合もあります。誰が決裁者かわからないときに、社長や役員とのアポを狙わず、担当者の紹介を狙うのも有効な作戦です。
手紙で営業を行うメリット・デメリット
手紙で営業につながる流れには、いくつかのパターンがありました。本人につながらなくても、アポをとれる可能性が高いというメリットがあります。ほかにもメリットがあるので、手紙営業の導入の検討に役立ててみてください。
手紙で営業を行うメリット
手紙で営業を行うメリットは、以下の3つです。
・わかりにくい商材を売りやすくなる
・キーマンにアプローチできる
・顧客に気持ちが伝わる
わかりにくい商材を売りやすくなる
商材のなかでも、ソリューション型などの無形商材は内容や魅力を伝えるのが難しいです。テレアポで営業をするなら、電話口で形のない商材の魅力を伝えなければいけません。新しい商材、あまり認知されていない概念などが加わると、より伝わりにくくなり、顧客にとって具体的なイメージを膨らませるのが難しくなります。
そこで、手紙を使えばわかりにくい商材でも、文面でまとめて商材の内容や魅力をわかりやすく伝えられます。一見、情報量が限られるように感じますが、文字にすると意外に多くのポイントをアピールできます。相手に合わせて、提案内容をパーソナライズすれば、より商材の魅力が響く手紙になります。
キーマンにアプローチできる
手紙は、キーマンにアプローチしやすいのがメリットです。事前にキーマンがわかっている場合は、送り主に直接送ることで、大手企業でもキーマンにアプローチすることができます。
他の手法では、キーマンにたどり着くまでに複数のステップを踏む必要があります。テレアポであれば、受付を突破できない、部署が複数あり引き継ぎが上手くいかない、担当者で止まってしまう、商談した相手がキーマンではなかったなど、いくつもの壁があります。
顧客に気持ちが伝わる
メールや問い合わせなどのアプローチが多いなか、手紙は顧客の目に止まりやすい手法です。一斉送信のダイレクトメールやテンプレート通りの問い合わせなどに比べて、自分のために手紙を書いてくれたことで、気持ちが伝わります。他社との差別化にもつながり、競合よりも印象づけることができます。
手紙で営業を行うデメリット
手紙で営業を行うメリットが多くある一方で、いくつか気を付けたいデメリットも存在します。
手紙営業の主なデメリットは以下の3つです。
・送ってから相手に届くまで時間がかかる
・手書きで作成するために手間がかかる
・一方通行の連絡手段で反応が見えない
送ってから相手に届くまで時間がかかる
テレアポやメールなどは電話をかけてすぐ、メールを送信してすぐ、相手に提案することができます。一方、手紙はポストに投函してから相手に届くまで数日かかるのが気になるポイントです。
企業に手紙が届いてから、アプローチしたい相手の手元に届くまでにも時間がかかるでしょう。急を要する連絡や今すぐにでも話したいという場合には、スピード感に欠けます。
ただ、メリットでご紹介したように、顧客に真心が伝わりやすく、関係づくりには効果的ですので、中長期的な営業には最適な方法といえるでしょう。
手書きで作成するために手間がかかる
手紙は気持ちを伝えやすい営業手法ですが、文章を印刷した手紙だと効果は減少してしまうでしょう。印刷よりも手書きの方が手間をかけてくれたこと、気持ちを込めて書いてくれたことが伝わるものの、一通一通手紙を手書きするには手間がかかります。
継続して手紙を送ることも重要になってくるので、手紙で営業すると決めたら手間や労力を覚悟しましょう。
これまでの仕事の仕方を見直したり、チームで仕事の振り分けを改善したりするなど、手紙営業のためのリソースを確保することが大切です。
一方通行の連絡手段で反応が見えない
メールにも共通する部分ですが、手紙は一方通行の連絡手段であり、相手の反応は見えないというデメリットがあります。手紙を好意的に受け取ってくれたのか、あまり伝わらなかったのか、そもそも受け取ってもらえたのかが見えません。
送りっぱなしでは反応に期待するしかないので、「手紙で営業した場合のアポにつながる流れ」で解説したように、フォローコールによって追加でアプローチをかけることが重要です。
手紙で行う営業手法を成功させるポイント
手紙営業には、デメリットもあるものの、商材について説明しやすい、キーマンにアプローチしやすい、顧客に気持ちが伝わるといったメリットがあります。
ただ、とりあえず手紙を送ればメリットを生かして成果が出るとは限りません。手紙で行う営業手法を成功させるポイントとして、4つのポイントを解説しますので、ぜひ実践に生かしてみましょう。
・目に留まるように封筒や切手などにこだわる
・相手に合わせたオリジナルの文章を取り入れる
・売り込みを避ける
・シーンに合わせてこまめに手紙を送る
目に留まるように封筒や切手などにこだわる
アプローチしようとしている企業には、毎日多くの手紙や案内、書類が届いていることが予想されます。たくさんの手紙の中に送った手紙が埋もれてしまうと、想いの込もった手紙でも開封される可能性が低いです。
良くある手紙としては、企業名の入った封筒、通常の封筒に宛名シールを貼ったもの、中身の宛名が見える窓あき封筒などがあります。これらと同じ封筒を使うと、スルーされることが多いでしょう。
手紙を手に取ってもらい開封してもらうためには、封筒や切手などで差別化するのがポイントです。高級感のある和紙の封筒を使ったり、限定切手を貼ったりすると、目に留まる確率が上がります。費用や購入する手間はかかりますが、成約をとれればプラスになることが多いので、手間を惜しまずに手紙の送り方にこだわってみましょう。
相手に合わせたオリジナルの文章を取り入れる
手紙を開封してもらっても、文章が形式的なものだと、手紙のインパクトが薄れてしまいます。営業の目的である「会いたいこと」「詳しく案内したいこと」を伝えるためには、相手に合わせたオリジナルの文章を入れましょう。
手紙を送る相手について、ホームページやSNSを調べたり、業種・業界の時事ネタを仕入れたりして、相手一人一人に向けた文章を書くことが大切です。自分に向けられた文章は思わず読みたくなり、問い合わせをしたり、ニーズが出たときに思い出してもらえたりする可能性が出てくるでしょう。
売り込みを避ける
商材に興味を持ってもらおうとすると、つい商材のメリットや特徴などを売り込んでしまいがちではないでしょうか。手紙を送ろうとしている相手が既に他社から営業を受けていることも多く、売り込みが相手に伝わると、「また売り込みか……」と白けてしまう可能性が高いです。
売り込みをするのではなく、顧客にとって有益な情報を提供することを意識しましょう。商材の選び方や購入者の事例、便利な使い方などのお役立ち情報は相手にとってありがたく、すぐに反応を求めるよりも好印象を与えられます。
結果を出そうと焦ると売り込みになりがちなので、中長期的な計画を立て、地道に関係を構築することが重要です。
シーンに合わせて手紙を送る
手紙を営業手法として活用する場合は、まず思い浮かぶのが新規営業でしょう。新規営業といっても、まったく接点がない顧客やセミナー参加者、展示会参加者など相手が異なります。
新規営業以外にも、継続してアプローチしたいときや取引先への挨拶、季節の挨拶、異動・退任の挨拶など、手紙を送ることができるシーンは様々です。
新規営業だけでなく、接点が生まれたときや挨拶が必要なときにまめに手紙を送りましょう。継続的な手紙によって相手の目にとまったり、信頼を得たりでき、成果へのつながりを期待できます。
まとめ
手紙で営業をした場合にアポにつながる流れは、5つのパターンがあります。フォローコールで本人や秘書、担当者とつながることで、アポを獲得できる可能性が高いです。手紙営業には、わかりにくい商材を売りやすい、キーマンにアプローチできるなどのメリットがあり、他社との差別化にもつながります。
また、手紙での営業で結果を出すためには、封筒や切手にこだわって他社の手紙と差別化する、相手に合わせたオリジナル文章を作成する、売り込みを避ける、シーンに合わせて手紙を送るなどがポイントです。
手紙がアポにつながる流れやメリットを参考にして、手紙営業の導入を検討してみましょう。
・代表の経歴
大学卒業後、IT企業に入社し、飲食・小売店向けタブレット型POSレジのパッケージ・SaaSの提案営業、また、グループ会社にて、中小企業の経営者を対象に、自社開発CMS、BtoBビジネスマッチングサイトのアウトバウンド営業を担当させて頂きました。その後、IT企業に特化した人材紹介会社にて、外資系・日系IT企業を対象にエンジニア採用のコンサルティング営業を経験し、IT/WEB業界における無形商材の営業経験をいかして、2017年3月に株式会社カタセルを設立しました。
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◆実績
上場企業から数名規模のベンチャー/スタートアップ企業のご支援を通じて、大手・中堅企業のキーマンとの1000件以上の商談獲得の実績がございます。商材については、B2B SaaS、HR Tech、AIなどといった新規性の高いサービスから、システムの導入支援や業務改善、組織変革のコンサルティングなどといった大企業の大きな課題を解決するソリューションまで、一般的に、複雑で分かりにくいとされる無形商材の営業支援が中心となっております。月間の商談獲得件数については、営業マン1名でご訪問頂ける月間5件といったミニマムスタートから、月間1000通以上の手紙送付、商談獲得30件といった比較的大規模なアプローチまで、各企業様のご意向にお合わせしたボリュームで営業支援をさせて頂いております。弊社が獲得した商談経由の受注実績については、数百万円からLTVで考えると一千万円前後の高単価の商材を中心となっております。訪問から受注までのリードタイムは、商材によっても大きくことなりますが、平均的に3~6ヶ月で、早いものですと1週間前後で契約に繋がった事例から、長いものですと1年以上かけて契約に繋げるものまで幅広くなっております。受注率についても商材によって大きく異なり、受注率20%の事例もございますが、逆に数%の確率で大型商談を狙うものまで、商材の性質や単価、企業様の営業戦略によって大きく異なります。まとめますと、弊社は、ご依頼頂く企業様の規模は問わず、IT、マーケティング支援、コンサルティングなどの高単価の無形商材で、大手・中堅企業をターゲットにする営業支援を得意としております。