目標達成に必要な「行動計画」とは

営業という仕事ではノルマを課されることが多い。
このノルマを達成する上で、重要なのが行動計画である。
ここでは営業の目標達成に必要な、行動計画にスポットをあててみたい。
ノルマがない現場でも役立つものなので、理解を深めておく方がいいだろう。

そもそも行動計画とは

では営業活における行動計画を確認しよう。
ポイントになるのは売上や受注件数などの、最終的な目標から逆算して計画を立てることである。
ただし行動計画を立てるにあたって必要な情報は、それぞれの営業形態に準じたもので考えるといいだろう。
仮にアウトバウンドで営業活動をしている場合は以下のものを、目安にしてみるといい。

★商談件数に対する受注率
★コール件数に対するアポ率

これらを基準として行動計画を立ててみよう。
さらにルールを決めておくのも重要である。

★新規顧客を相手にする場合
★既存の顧客を相手にする場合

などのように顧客別にルールを設定するのがいいだろう。
そもそも既存の顧客と新規の顧客では、営業活動そのものが異なってくるはずだ。
細かい部分ではあるが効率的な営業を行うのには、こうしたルールを定めるのがポイントになる。
最後に特別な事情がなければ、1週間単位で作成して欲しい。
なぜ1ヶ月ではないのかというと、後から微調整をしやすいためだ。
専用のボードシートなども手軽に購入できるので、それらを利用するといいだろう。

行動計画の具体例を出してみる

では営業における行動計画の具体例を確認しておこう。
最終目標が受注3件、受注率10%、アポ率1%の場合の行計計画を立てるとしよう。
受注率10%であるのをクリアするためには、10件の商談に対して1件の確率で受注が見込む必要がある。
受注件数は3件が目標なので、30件の商談が必要となるだろう。
アポ率は1%という数字設定としているので、30件のアポイントを獲得するにあたっては3000コールが必要になる計算だ。
上述した条件は1名の営業が、アポイントから商談までの一連の流れを担当するパターンだとしよう。
これを1ヶ月の営業日ベースで、1人の稼働時間に対して現実的に可能なのか考えてみよう。
1ヶ月20営業日と仮定すると、条件は以下に整理できる。

★1日8時間稼働で1ヶ月160時間
★商談については全件訪問商談と仮定して余裕をみて1日4件訪問可能
★コールに関しても余裕をみて1時間に20コールと仮定、1日160コールが可能とする
★1ヶ月に3000コール必要なので、3000コールをするために150時間必要な計算になる

この時点で1ヶ月の稼働時間が、残り10時間になってしまう。
つまり上記の行動計画には、無理があることがわかるだろう。
当然残業などを含めると、稼働時間は長くできる。
だが行動計画では無理のない範囲で、予測を立てることが鉄則だ。
なぜなら最初から余裕のない計画を立ててしまうと、緊急の案件が入ってきた時に対応できないためである。

具体案を修正して考えてみる

上述の検討によって最初の行動計画は、実現が難しいことがわかった。
ではどうすれば行動計画を実現できるのか、修正案を検討していこう。
稼働時間に対して受注率やアポ率を、現状の想定の2倍で考えることは現実的ではないだろう。
ではどこを修正できるのかといえばコールなどの時間だ。
条件を整理していこう。

★仮に1時間に20コールではなく25コールできるとする
★目標件数のコールは120時間で完了する。
★残りの40時間で30商談できれば、行動計画がクリアできる
★1営業日8時間で4件の商談が可能と仮定しているので、30商談するために7〜8営業日必要

この時点で行動計画の実現が現実的に難しくなってしまう。
では商談の時間を削れるかを検討していく。

★訪問商談ではなくWeb商談に変更
★1日6商談をこなせばギリギリ可能

といった形なら行動計画の実現はできる。
だが行動計画を立てる時はリスクが発生するなどの理由から、商談件数が減ってしまったり、受注率やアポ率が下がってしまう可能性がある。
そこで数字的に余裕をみて全て1.2倍で考えたほうが良いと言われているのだ。
ここまで条件を整理してきたことからわかるだろうが、上記行動計画は1.2倍で考える余裕はない。
つまりは恐らく現実的ではないだろうと判断できるのだ。
結果として行動計画については、達成から逆算してある程度余裕をもった上で計画を立てるのが重要であることがわかる。

行動計画を立てるためのツール

営業目標を達成するには、行動計画を綿密に立てる必要がある。
そのポイントは達成した条件から、逆算をした上である程度の余裕を見積もっておくという点だ。
では次に行動計画を立てるのに、役立つツールには何があるのだろうか。
先述したようにスケジュールそのものは、ボードシートを使っていくといい。
だが細かい数字の入力が必要なら、スプレッドシートを使うのが便利である。
パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットなどでもアクセスができ、手軽に数字の修正などができるためだ。
まとめる項目としては以下のようなものがある。

★アポ率
★受注率
★必要商談数
★インサイドセールスにかかるコスト
★フィールドセールスのコスト
★最終獲得コスト

などを手軽に関数で出せるようにしておくと便利だ。
これらのまとめ情報を、メール営業、テレアポ、レター電話なし営業と分野別に分けておくと、後から見直すときにも利便性が高いだろう。
ただあまり細かくやりすぎても良くない。
情報をまとめることばかりに時間が取られてしまって、それを作ることが1つの目標になってしまうためである。
飽くまでも行動計画は営業目標を達成するために、使う道具でしかないのだ。
最終的に営業としての利益が出ていれば問題ない。
ちなみに目標とするアポ率と受注率は、甘く見積もらずに固く設定したほうが良いだろう。

営業活動において目標を達成するために、便利なのが行動計画である。
行動計画を立てることで、より効率的に営業を行えるようになるだろう。
そこで行動計画を立てるポイントなのだが、達成したい目標から逆算をして、どれだけの作業量が必要なのかを考えることだ。
この時になにか起きるリスクも考慮して、ふだんの1.2倍程度の時間と見ておくといいだろう。
最初にできた行動計画は、実現が可能なのか見直してみて、無理そうなら少しずつ条件を変更していくといい。

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