営業はアップセル、クロスセルをどう意識すべきか

営業を行う上で顧客単価を上げることは重要な視点だ。
この顧客単価という点を考えた時に、重視されるのがアップルセルやクロスセルといった概念になる。
ではアップルセルやクロスセルを使って、どのようにして単価をあげていくのかを考えてみたい。

アップルセルとクロスセルについて

では先にアップルセルと、クロスセルの基本を押さえておこう。
どちらも顧客単価を向上させる営業手法の1つになる。
アップルセルは既に商品を購入した顧客に対して、より上位のモデルを購入してもらう手法になる。
具体例をいくつかあげておこう。

★10万円のノートパソコンから20万円の高級機種へのアップグレードをしてもらう
★年会費が無料のサービスを、有料のサービスに切り替えてもらう

などが代表的な例となる。
他方のクロスセルは顧客が購入した商品に対して、関連するものを勧めるといった手法のことだ。
具体的な例としては以下のようなものがある。

★携帯電話を購入した顧客に、液晶保護シートやケース、SDカードなどを勧める
★インターネットショップでカートに入れたものと、関連するものを表示する

以上がクロスセルの代表的なものだと言える。

アップルセルやクロスセルを狙うには分析が重要

では自社の商材でもってアップルセルや、クロスセルを狙うのなら何が必要なのだろうか。
最初に行いたいのは自社の商材特性を考慮することだ。
そこからアップセルやクロスセルに、繋がりやすい顧客について理解をする。
例えば従業員数ごとに課金をするタイプの商材があったとする。
この時に狙いたいのは以下のような企業だ。

★従業員数1000名以上の大手企業
★成長途中のベンチャー企業

またWEB系の広告をベースとして考えた場合は、以下のような企業を狙いにいくといいだろう。

★既にWeb広告に大きな投資をしている。
★Web広告への投資額が増加する可能性がある

などの企業だ。

特に企業分析を重視したい

特に重視したいのは、中長期的に大きな取引を狙いたいケースだ。
この場合でもどのような企業ならば、中長期的な取引となる可能性が高いにかについて理解しなくてはいけない。
例えば大手企業は予算がたくさんある可能性は高い。
だが成長ベンチャー企業のほうが、中長期的に見れば大きな取引に繋がる可能性が高い可能性がある。
なぜなら大手企業の場合は、既に他社が食い込んでいたり、ライバル社の存在が大きいためだ。
最悪のケースでは契約を死守するために、ほとんど旨味がないほどに利益を落とす必要があるかもしれない。
一方で成長中のベンチャー企業は、現時点では旨味になる部分は少ない可能性が高いだろう。
だが数年後には規模が大きくなっているかもしれない。
だからこそ単純な企業規模などの条件にはとらわれず、しっかりと現状を分析してみるのが重要だ。

ヒアリングで企業の意図を読む

アップルセルやクロスセルを重視する時は、クライアントへの提案の際に、導入意図についてヒアリングを必ずしておきたい。
このヒアリングを行うことによって、試験的な導入でうまくいけばさらに使ってもらえそうなのかがわかる。
あるいは導入がうまくいっても、これ以上は追加発注などが見込めないのかの判断がつくためだ。
そこで重要なのが通り一遍にヒアリングをするのではなく、より解像度を上げてポテンシャルを理解するイメージが重要になる。
例えば「うまくいったらどんどん使っていきたい」などと言われたとしよう。
だがこの返答というのは、クライアントからすれば当たり前の話ではないだろうか。
うまくいかなければ継続して利用する意味などないからだ。
だからこそもう一歩深く踏み込んでおきたい。
具体的には以下のようなケースだ。

★うまくいったら〇〇円でお願いしたい
★〇〇の部署もお願いしたい
★現状の〇〇の代わりとしてもお願いしたい

などのように伝えるといい。
より具体的にヒアリングをすれば、その実現に向けてどう対策を立てればいいのがわかる。

追加発注をもらう条件も確認しておく

アップルセルやクロスセルを狙うのなら、どのような状態になれば追加発注を頂けそうなのかを考えておきたい。
最終的なゴールだけではなく、中間ゴールのようなものを把握しておくとより良い結果を出せるだろう。
具体的な例をあげてみる。
初回のテスト導入で3件受注できたとしよう。
この時には「今の2倍の広告費をお願いしたい」と条件を設定しておくことを指す。
ただしクライアントごとに「うまくいく」の定義が異なるはずだ。
そこはしっかりとヒアリングをすべき部分だと言えるだろう。
条件さえ把握しておけば、このような設定を推していくことも可能だ。
クリアできればクロスセルやアップルセルにつながっていく。

アップセルとクロスセルを成功させる方法とは

アップルセルやクロスセルを成功させるには、プロダクトやサービス、または企業自体のブランドに信頼度が高い顧客が必要だとされている。
なぜならアップルセルやクロスセルを勧めるクライアントとは、明確としたニーズを持っていないものを宣伝するためだ。
そのため信頼度や愛着が低いクライアントに対しては、キャンペーンを行っても意味がなくなる。
そのためクライアントの信頼度や愛着そのものの高低を、営業としては分析しておく必要があるだろう。
他方営業のみの努力で、アップルセルやクロスセルを追うのは無理があるとも言える。
当然取り扱う商材によって向く向かないがあるし、新規営業の立場から見ると、正直面倒な部分が多いからだ。
労多くして功少なしという状況になる可能性も高い。
そこまで時間は取るのなら、別途新規顧客に対してのアプローチかけた方が営業効率もいいだろう。
そう考えると、アップルセルやクロスセルを充実させるには、やはりカスタマーサクセスなどが重要になるはずだ。
既存の顧客に対してもに面で対応できるような、サービスの構築を行ったり、専門の担当者を作っていくことがポイントだろう。

顧客単価を上げる方向で営業は何ができる?

最後に顧客単価を営業が上げることはできるのかを考える。
この目的を達成するためには、自社の商材がどういう条件に比例して顧客単価があがるのか分析するのが必須だろう。
その分析結果を元にしてターゲティングを行っていき、狙い打ちを方が効率よく単価を上げられるはずだ。
例えば過去の履歴などから、建設会社に行くと顧客単価上がった、反面で塾や接骨院だと低いといったようなデータである。
そうした顧客単価の高い業界や業種などがわかれば、単価が高いところを狙っていけるので効率がいいだろう。
営業の手腕による提案でももちろん顧客単価を上げることはできる。
だがそれには限界があるのだ。
ないところからは取れない、取れるところから取る、でなければ継続的な結果は残せないだろう。
営業の手腕には限界があり、およそ企業規模など入り口で顧客の単価は決まってくると考えていい。

顧客単価をあげるための営業手法がアップルセルやクロスセルだ。
この手法を取り入れることで、顧客単価を上げることにつながる。
重要なのは自社の商材を分析し、どのような企業に対してアプローチをかければ効率よく単価を上げられるかだ。
営業の手腕で単価を上げられることはあるが、しかしそれには限界もある。
効率よく単価を上げたいのであれば、過去のデータなどから顧客単価の高いクライアントの業種や業界などを絞りこむといいだろう。

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